J2首位のアルビレックス新潟は、15日にアウェーで10位FC町田ゼルビアと対戦する。サイドバックながら前線で攻撃に絡み、つかみどころのない巧みなポジショニングで相手チームを混乱に陥れる藤原奏哉(26)は今季初の3連勝に向けて気合を入れている。町田とは昨季2戦2敗(1-2、0-2)。「難敵」を攻守で圧倒するため、したたかに右サイドを制圧する。

チームの好調を右サイドで支える藤原が、町田へのリベンジに向けて闘志をみなぎらせる。「昨シーズン、2回負けている相手。勝つしかない。難しい時間帯もあると思うが、自分たちのやりたいサッカーをして押し込みたい」と言葉に力を込める。

グイグイと前進するというよりも、相手との駆け引きを楽しむようにスルリと逆を取り、涼しい顔でチャンスを演出する。前節8日のホーム東京V戦(4-3)でも敵陣の内と外を自由に動き回り、MF高木善朗(29)の先制点の起点となるパスをMF松田詠太郎(20)に通した。自らも前半と後半に1本ずつシュートを放つなど攻撃に厚みを出した。「あとはフィニッシュの質。力まずにしっかり枠に飛ばしたい」と11日の練習では力任せではない、コースを狙ったシュートでネットを揺らした。

チームは4月以降8戦6勝2分けと好調をキープ。勝ち点29で並ぶ仙台、横浜FCを得失点差でかわし、今季初めて首位に躍り出た。だが、満足は一切なし。「シーズンは長い。先を見すぎず、目の前の試合に集中して臨む」と気を引き締める。

15日に対戦する町田はここ8戦4分け4敗と勝ち星から遠ざかる。だが、ハードワークと個が融合した手ごわいチームと警戒する。「相手にアプローチする距離やプレスにいく位置を全員で共有したい。しっかりした守備からいい攻撃に移したい」と今季初の3連勝をイメージしていた。【小林忠】