静岡県高校総体サッカーの男子決勝が5日、袋井市のエコパスタジアムで行われる。17年ぶり2度目の優勝を目指す磐田東(県Aリーグ)は、決勝初出場の藤枝明誠(U-18プリンスリーグ東海)と対する。

準決勝までの県大会4試合でわずか1失点の守備陣に、元Jリーグ磐田監督の鈴木政一氏(67=J1ジュビロ磐田クラブアドバイザー)の孫がいる。右サイドバックのDF鈴木彩斗(3年)だ。現役時代はDFだった祖父から、守り方を教わってきた。「決勝に進出できて良かったな、と声を掛けてもらいました」。最近のプレーについては「動きの中で対応がはっきりしていて良かった、パスのタイミングも成長したと、ほめてもらいました」と明かした。

センターバックのDF森蓮太副主将(3年)は、中学時代のジュビロSS磐田からのチームメート。鈴木彩は「自分が競り合っている時は、森が近い距離でカバーしてくれる。安心してプレーできる」と信頼感を示した。右サイドの守備の安定が、プリンス勢の常葉大橘と浜松開誠館、さらに前回王者の静岡学園の連破につながった。

決勝では、磐田東の全校応援を受ける予定。「緊張せずに力を発揮したい。優勝して、応援してくれる方々や家族に恩返しをしたい」。監督としてJリーグ優勝を果たした祖父に続き、栄冠を勝ち取る。

◆鈴木彩斗(すずき・あやと)2005年(平17)2月1日、磐田市生まれ。小学4年から田原FC(磐田市)でサッカーを始めた。特技は持久走。好物は焼き肉とイチゴ。165センチ、55キロ。血液型A。

■MF港聖頼(みなと・せら)主将(3年)

チームの雰囲気は最高。2回戦で右ひざの靱帯(じんたい)を痛めて欠場していましたが、仲間が決勝まで連れてきてくれた。できればプレーしたいです。

■山田監督「平常心で」

就任22年目の山田智章監督(57)は、前回優勝した17年前のチームと比較して語った。「個性派ぞろいで、当時と似ている。個々の能力は劣るが、サッカーのうまさは、今のチームが上。素直な子が多く、一緒にサッカーをしていると楽しい」。2005年の決勝では、清水商(現清水桜が丘)を1-0で下した。「決勝は緊張しないで、平常心で戦ってほしい。自分たちでつかんだ舞台を楽しんでほしい」と訴えた。