日大藤沢が公立勢の雄・橘に2-1で競り勝ち、4大会ぶり9度目の全国総体出場が決まった。19日の決勝(対湘南工科大付)へ勝ち上がり、神奈川2枠の座を手にした。

この試合で規格外の存在感を発揮したのが、身長198センチという超大型FW森重陽介(3年)だった。

1トップながら、橘のCKとなれば自陣ゴール前まで戻り、その高さで壁となった。さらに大型選手でありながら豊富な運動量を見せつけ、守備から攻撃まで幅広くプレーし、チームに貢献した。

1点リードで迎えた前半25分には、相手ボールをインターセプトすると、右前方のオープンスペースへボールを展開し、MF岡西亜憐(3年)の縦突破からMF仲川颯一(3年)の得点が生まれた。

森重自身は後半の絶好機でシュートをバーに当てて無得点と結果は出せなかったが、気持ちを前面に出して戦う姿も含め、ピッチ上では誰よりも目立っていた。

森重は試合後、「人生初の全国大会なのでうれし涙が出ました」と安堵(あんど)の表情。ただ無得点にだったことには「ゴールが求められているので、取れなかったのは悔しい」と唇をかんだ。

中学時代は東京ヴェルディのジュニアユースに在籍。FWでなくセンターバックなどDFの選手だった。高校入学後もDFだったが、1年の終わりにFWへコンバートされた。昨年から試合に出場しており、エースとして迎える今年も一貫して「19」という大きな番号をつけている。それについては「サイズの合うユニホームがなかったから」ということで、こだわりの19番というワケではなかったが、高校ラストイヤーはさらなる高みを目指して鼻息が荒い。

7月24日開幕の四国総体(~30日、徳島県内)に向け、「チームとしては全国制覇。個人的には得点王を狙いたい」。規格外の超大型ストライカーが、全国舞台でその雄姿を披露することになりそうだ。