7・10は守護神の日! 浦和GK西川周作(36)が、J1最多記録となる出場試合通算170試合の無失点を達成した。ホームで東京に3-0で快勝し、金字塔を打ち立てた。湘南-広島戦では、日本代表入りを狙うGK谷晃生(21)と広島GK大迫敬介(22)が互いに好セーブを連発。日本代表のレギュラー、清水GK権田修一(33)も完封勝利を飾った。

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完封勝利を告げる笛が響くと、西川は2回、3回と力強く両手をたたいた。開幕からリーグ21戦連続の先発出場。後半19分にはFWレアンドロの強烈なミドルシュートを横っ跳びでファインセーブし、スタンドからは大きな拍手が起きた。「絶対にゼロで勝つんだとみんなが前半から気持ちが入っていた。あとは前に突き進むだけ」と笑顔を見せた。

チームも応えた。MF松尾が前線からの献身的なプレスでバックパスを奪いFWダビド・モーベルグの先制点を演出。後半5分にはMF伊藤が鮮やかなミドルシュートを右隅へ決めた。25分にMF大久保がダメ押し点を奪って終盤に入っても攻撃の手を緩めることはなかった。ここ2試合は失点と引き分けが続いただけに「もどかしかった。楽になったところはある」と胸をなで下ろした。

05年、大分で18歳でJ1デビュー。大分では34試合、広島で47試合、そして14年に加入した浦和では89試合をクリーンシートで終えた。浦和に加入後は土田コーチと二人三脚。「確実なことを確実にできるGK」をテーマに、適切なポジショニングなど基本練習から見つめなおした。今季からミレッGKコーチに師事し、セービング時のステップの踏み方など新しい考え方にも触れた。「36歳になっても成長できている」と、充実の表情を浮かべる。

在籍9シーズン目はチーム最古参。「学ぶ姿勢を大事に」と、初心がぶれることはない。チームは9位と苦しい戦いとなっているが、会心の勝利で浮上への足がかりをつかんだ。「記録よりもチームが勝つことが第一」と笑みを浮かべた36歳がこの記録を伸ばすほど、浦和の勝ち点も伸びていく。【岡崎悠利】

◆西川周作(にしかわ・しゅうさく)1986年(昭61)6月18日生まれ、大分県出身。大分の下部組織で育ち、05年にトップ昇格。05年ワールドユース(現U-20W杯)、08年北京五輪など各世代の日本代表を経験。10年に広島へ移籍し、14年に浦和加入。Jリーグではベストイレブン5度、フェアプレー個人賞2度。J1通算543試合出場は歴代5位。国際Aマッチ通算31試合。183センチ、81キロ。AB型。左利き。