新型コロナウイルス感染症の影響で今夏の全国高校総体出場を辞退した磐田東(静岡)が、ジュビロ磐田に善戦した。1点を追う前半11分、MF港聖頼(せら、3年)が左足で同点弾。右膝靱帯(じんたい)損傷のケガから復帰した主将の1発で勢いづいた。同21分にはFW谷野暁希(あつき、3年)が左足で追加点。試合は同点で迎えた後半終盤に失点して敗れるも、プロ相手に堂々とプレーし、谷野は「全国大会で試合ができなかった思いを全部出せた」と胸を張った。

6月の県総体では17年ぶりに優勝し、全国切符を獲得したが、大会直前にチーム内で陽性者が出たため、出場できなかった。磐田の選手らが発案して実現した親善試合は、全国大会出場の経験を奪われた磐田東の選手たちを励ますことが目的。今秋の県選手権に向けても貴重な経験になった。MF港は「プロ相手に2点取れたことは今後に生きると思う」と目を輝かせた。【神谷亮磨】

■磐田東OB藤原健介、冬へエール

磐田は最後に意地を見せた。下部組織の磐田U-18の選手らも出場し、前半6分にU-18FW後藤啓介(2年)が先制点。一時は逆転されるも、プロの技を見せつけた。磐田東の卒業生でプロ1年目のMF藤原健介(18=磐田U-18出)が直接FKで同点弾。試合終了間際に後藤がこの日2点目を決めて、勝ちきった。藤原は「冬の選手権に向けて頑張ってほしい」とエールを送った。