最終節4試合が行われ、BTOPサンクくりやまが札幌蹴球団に8-0で大勝し、勝ち点36で優勝を決めた。最短で26年のJ1昇格を目指して2月にチームが発足してから、参入初年度でのリーグ制覇を達成した。11月にはJFL昇格を懸け、埼玉などで開かれる全国地域チャンピオンズリーグ(CL)に出場する。

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前後半それぞれ4点と圧倒的な攻撃力を見せつけ、BTOPサンクくりやまが参入初年度で王者となった。試合終了のホイッスルが鳴り響くとイレブンはほっとしたような穏やかな表情で、ピッチに出てきたベンチ選手やスタッフとハイタッチを交わし、リーグ制覇の喜びを分かち合った。

リーグ戦序盤は本来の力を発揮できないもどかしい試合が続いた。北海道十勝スカイアースとの第2節は0-0の引き分け。チームが武器とする攻撃力は鳴りを潜めた。連係の悪さはコミュニケーション不足に原因があった。選手30人中Jリーグ経験者は14人を占めたが、出身地もばらばらな選手たちは、合流、始動から1カ月足らずでリーグ戦に突入。プレー以前に、チームにはほど遠かった。

結束が固まらない中で試合に臨まざるを得ない状況も西野虎太郎監督(24)は「うまくいかないことは最初から分かっていた」と冷静に捉えていた。チーム内の年齢では中堅にさしかかるMF本塚聖也主将(25)が間を取り持って、風通しのいい環境を醸成。その雰囲気はピッチにも及び、若手も主張や要求を発信できる空気に変わっていった。本塚主将は「言いたいことを言える関係になったことがプレーにいい影響を与えた」と後半の躍進の要因を語った。

道リーグ制覇はトップリーグを目指すチームにとって序章に過ぎない。前身が16年ぶりに道リーグ復帰を果たし、今春誕生した新生チームは「最短最速」でのJ1昇格を目標に掲げる。11月のJFL昇格を懸けた全国地域CLで準優勝以上の成績を残し、J1に向けての1歩を踏み出すつもりだ。西野監督は「今日の試合も振り返って、勝つ確率を高めて大会に臨みたい」と気を引き締めた。【石井翔太】

◆後半から途中出場し2ゴールを挙げたMF吉行豊輝 入団してポジショニングや裏への動き出しがよくなった。2点はそういった成長が成果につながったゴール。11月の試合もチームに貢献するプレーをしたい。

◆J1までの道のり 全国地域CLは全国9地域のリーグ王者など12チームが出場する。11月11~13日の1次ラウンド(群馬など)は3グループでのリーグ戦。各グループ1位と、2位の中で成績最上位チームの計4チームが同月23日から行われる決勝ラウンド(埼玉)に進出し、リーグ戦を展開する。上位2チームがJFLに昇格。BTOPサンクくりやまは、23年のJFL昇格を果たし毎年昇格を繰り返すと、24年にJ3、25年にJ2、26年にJ1昇格となる。