J2ベガルタ仙台が6日、仙台市内で取締役会を行い、22年度の中間決算実績(上期は22年2~7月)と業績の見込みなどを報告した。

最終損益は1億800万円の黒字と5期ぶりの黒字決算となる見通し。また、本年度は3億円の第三者割当増資をすでに実施しており、昨年度末の債務超過2億6400万円も解消する見込み。佐々木知広社長(66)は「安定経営のスタートができたと思っている」と語った。

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仙台は昨年まで4期連続赤字を計上。だが、今年は1億800万円の黒字見込みとなり、5期ぶりに赤字からの脱却が濃厚となった。

その要因はアイリスオーヤマ、木下グループの2大スポンサーがけん引するスポンサー収入が6億1700万円増と前期に比べ、大幅増額となったことに加え、今季より観客が原則100%収容となったことによる入場料収入6600万円増が大きい。現時点の1試合平均入場者数は8800人で、目標に掲げた7600人を超えており、スタジアムに観客が戻ってきた。だが、入場料収入は3億1600万円(見込み)と、コロナ禍前の6億2300万円(19年)と比べるとまだ約半分。佐々木社長は「再来年に19年のレベルに持っていけたらと考えている。3カ年計画の今年はその通過地点と考えています」と語り、23、24年シーズンで19年の1試合平均1万4000人以上への回復を目指していく。

また、J2に降格した今季のトップチーム経費は6億7900万円と、前期比3400万円減少。今季はもう残り3戦でチームはリーグ6位と、J1自動昇格となる2位以内から遠ざかる。佐々木社長は「我々が経営努力で来年度も相応の強化費を含んだ単年度黒字の予算を組んでいくように、これからしっかりと見極めていかなくてはならない」と先を見据え、来季がJ1、J2にかかわらず、チームの強化に注力することを誓った。