コンサドーレ札幌がサンフレッチェ広島に2-1で勝利し、6年連続のJ1残留を確定させた。

順位は10位に浮上し、最終節を残して12位以上が決まった。1-1の後半10分、MF宮沢裕樹(33)が決勝ゴールを決めた。チームにとって13戦未勝利だった敵地広島戦で初白星。8試合ぶり先発復帰のクラブ一筋15年目の生え抜きが、大きなゴールを奪った。

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札幌の残留を決めるゴールを挙げたのは、クラブの象徴だった。主将の宮沢が勝利に導いた。後半10分、FWシャビエルが頭で落としたボールに右足トラップから振り抜き、押し込んだ。勝ち越しの2点目。アウェーまで応援に駆けつけたサポーターの「すすきのへ行こう」の合唱に合わせて飛び跳ねた。「ちょっと足踏みしてしまったが、自力で残留を決められて良かった」と安堵(あんど)。ペトロビッチ監督(65)も「残留が決まったのは1つの区切り」とほっとした表情を見せた。

1週間前にルヴァン杯を制した広島を相手に積極的に攻めた。後半はチームとしてボールを持つ時間が増え、最終ライン寄りのアンカーでプレーしていた宮沢も「ルーカスにパスが入った時に前めに絡みたいという意識があった」。ゴール前に詰めていたことでうまく得点を生んだ。

今季はケガに苦しんだ。右アキレス腱(けん)の痛みがあり、シーズン終盤に長期離脱。前節浦和戦で6戦ぶり復帰を果たし、この日の先発は8月13日神戸戦以来8戦ぶりだった。「久しぶりのスタート。長い休みでコンディションがなかなか上がりきらないなか使ってくれた監督に感謝」。直近2試合、勝てば残留確定の試合で持ち越しが続いたが、自身J1でシーズン最多となる今季3点目で区切りをつけた。

札幌とともに15シーズンを過ごす。2度のJ2降格を知るだけに「やっぱり嫌ですね。下のドキドキ感を味わうのは」。来季もJ1で戦える。ホームでの最終節清水戦へ「1年の集大成を見せる必要がある」と笑顔でのフィナーレを描いていた。【保坂果那】

○…FW興梠が先制ゴールを決めた。前半23分、GKをかわして左足で流し込んだ。17日に第2子となる長男が誕生。得点後はチームメートでゆりかごパフォーマンスで喜びを分かち合った。現役最多でJ1歴代2位の通算163得点目。「自分が最初目標に掲げていたところと違うかたちになったが、こういう厳しい状況のなか、残留できたのは良かった」と話していた。

【スコア速報】V決定は最終節へ