昨季、ユニホームを脱いだ元日本代表の阿部勇樹さん(41)の引退試合が12日、埼玉スタジアムで行われた。浦和レッズOB、ジェフユナイテッド千葉、ワールドカップ(W杯)日本代表南アフリカ大会でともにプレーした仲間が集結。浦和OBを中心にした「URAWA ASIAN KINGS」と、千葉と日本代表のOBからなる「JEF JAPAN FRIENDS」の対戦形式で、阿部さんは前半は「JEF JAPAN FRIENDS」、後半を浦和OBのチームでプレーした。

エンターテインメントの要素もふんだんに盛り込まれ、阿部さんは前半に2得点。後半途中からは長男の湧心さん(15=浦和ジュニアユース所属)と次男の凉雅さん(10)もピッチに入り、2人の愛息がそろってゴール。試合終了間際には、湧心さんの右からのクロスに阿部さんが頭であわせ、“ハットトリック”で試合を締めくくった。

大声援の後押しを受けてプレーした阿部さんは「この声援をもらいたいがために試合を頑張っていた。これだけのパワーを送ってくれていたとあらためて感じた。(2人の息子が)声援を聞いたり雰囲気を感じることによって、自分も頑張ればこういったピッチに立つという目標を持ってくれたら。サッカーの面白さや、大きな舞台でやる難しさを感じ取ってくれたのではないかなと思います」と話した。

まもなくW杯カタール大会が始まる。阿部さんは10年の南アフリカ大会で1次リーグを突破した経験がある。「3試合ありますが、初戦がすべて。初戦で勝つことができれば、次の試合の雰囲気も変わってくる。3試合あるからではなく、まず初戦に勝つことだけに力を注ぐべき。そこで勝ち点を得ることで違った景色になる」とエールを送った。