第101回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。4年ぶり2度目の出場で全国初勝利を目指す浜松開誠館は、31日の2回戦で大津(熊本)と対戦(埼玉・浦和駒場スタジアム、午後2時10分)。日刊スポーツ静岡版では「浜松開誠館 新しい景色へ」と題して、チームの顔触れを連載する。

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MF菅原太一(2年)はシンデレラボーイだ。県選手権では結果でチームを引っ張った。清水桜が丘との準々決勝では2得点1アシスト。静岡学園との準決勝で決勝ゴールを挙げ、前回大会覇者の連覇を阻止した。「どんな場面でもゴールに向かうことを意識している」。武器はキレのあるドリブルと遜色なく蹴れる両足のシュート。県選手権では計4得点で得点王にも輝いた。

中学までは清水ジュニアユースでプレーしていたが、ユースに昇格できなかった。菅原は「悔しかったし、高校サッカーで見返したかった」と決意し、同校に進学。今年7月にAチーム入りを果たすと、ゴールに向かう積極性を評価されてレギュラーをつかんだ。それでも、「まだまだ課題はある」と満足はしていない。全国では「もっと自分の武器を出して、1つでも多く勝てるように全力を尽くしたい」。2年生の成長株はあこがれの全国舞台でさらに進化する。【神谷亮磨】

◆菅原太一(すがわら・たいち)2005年(平17)9月14日、伊東市生まれ。小1からサッカーを始め、清水U-12三島-清水ジュニアユースでプレー。家族は両親、姉。170センチ、64キロ。右利き。血液型O。

 

DF八巻涼真(2年)は「赤い壁」となって相手の攻撃をはね返す。身長はフィールド選手で最も高い187センチ。空中戦の強さはチーム屈指だ。「高さでは絶対負けない自信がある」。強みは守るだけではない。正確なロングキックで攻撃の起点も作り、1本のパスで局面を変えられる。3バックの右から逆サイドに出すフィードは攻撃の生命線にもなっている。

初戦で対する大津(熊本)で警戒する選手は191センチの大型FW小林俊瑛(3年)だ。年代別日本代表候補にも選ばれている逸材を止めることが勝利への近道となる。八巻は「空中戦で負ける気はしない」と、真っ向勝負を挑む。2年生として臨む全国選手権は経験値を上げるための絶好の舞台。それでも、目の前の一戦だけに集中する姿勢は変えない。同校の全国初勝利が懸かる初戦がヤマ場だが、「必ず勝って歴史をつくりたい」と力を込めた。

◆八巻涼真(やまき・りょうま)2005年(平17)10月21日、山梨県生まれ。小1から塩山SSS(山梨)でサッカーを始め、中学時代はフォルトゥナSC(山梨)でプレー。家族は両親、姉、妹。187センチ、76キロ。右利き。血液型O。