「勝栗(かちぐり)」を食べてJ2出陣へ結束した。昨季J3王者でJ2初挑戦のいわきFCが26日、福島・いわき市内の閼伽井嶽(あかいだけ)薬師常福寺で必勝祈願を行った。選手、スタッフら45人が参加。本殿で祈禱(きとう)を受けた後は、磐城平藩で藩主を務めた安藤信正ら安藤家の出陣の験担ぎとされる「勝栗」を、村主博正監督(46)の「勝栗!」の合図で口に入れ、今季目標の優勝に向けて気持ちをひとつにした。

いわきにとって「勝栗」は欠かせない縁起物だ。Jリーグ参入1年目だった昨年の必勝祈願で初めて口にしたといい、その効果か、J3を23勝7分け4敗で優勝。J2昇格を成し遂げた。新シーズンに向けて村主監督は「勝負ごとなので、1試合1試合、自分たちのサッカーをやることが前提条件ですが、しっかり頂点を目指して頑張っていきたい」と力を込めた。

戦うステージは変わっても、ピッチで表現することは同じだ。山下優人主将(26)は「自分たちらしく1試合1試合、全力で戦って、いつもと変わらない、いわきFCを見せたい」と強調。「自分たちのベースである90分間止まらない、倒れないだったり、前に向かって行く姿勢をJ2の舞台でも披露したい」。今季は来月18日のホーム藤枝MYFC戦で開幕。29日から始まる鹿児島キャンプを経て、J2初陣までにチームの完成度を高めていく。【山田愛斗】