パリ・オリンピック(五輪)代表に期待されるプロ2年目、ガンバ大阪のMF中村仁郎(19)が、同じ下部組織出身の大先輩に刺激を受けた。

前日28日のアルビレックス新潟戦は、G大阪が3-1で完勝。公式戦は10試合ぶりに勝ち、リーグ戦の連敗を5で止めた。

その中で、先発したMF倉田秋(34)は前半、約1年7カ月ぶりにゴールし、強度の高い守備でも貢献した。今季はベンチ外が多かった前主将だが、少ない出番にも屈せず、闘志あふれるプレーを見せた。

中村も今季は故障の影響があり、昨季までJ1通算11試合に出場してきたが、リーグ戦ではベンチ入りがない。控え組で一緒に練習する時間が多かった、同じジュニアユース、ユース出身の倉田の姿を手本にしてきた。

「僕は秋君の背中を見てきた。(同じベンチ外の時でも)あの年齢でサッカーが好きなのは分かった。自分もああいう選手になりたい。結果が出て、僕もうれしい」

同じユースで育ち、同じ2003年8月生まれで、G大阪から現在はJ2ファジアーノ岡山に期限付き移籍中の同期、FW坂本一彩(いさ、19)からも刺激をもらったという。

27日のU-20ワールドカップ(W杯)1次リーグ第3戦イスラエル戦で、その坂本がゴールを決めた。中村自身はU-20日本代表から外れたものの、代表や同期を応援していた。

「一彩のゴールを見て、その後、連絡したけど(試合に敗れて)悔しそうだった」

この日はJ2徳島ヴォルティスとの練習試合に、中村は後半から途中出場。得意のドリブルからゴール前に進入し、果敢にシュートやクロスを放った。

「持ち味は出せたと思うけど、もう少しゴールに絡みたかった。守備は日ごとに積み上がっているものはあるし、攻撃をアピールしたい。腐らずにやりたい」

左利きで世代屈指の技巧派ドリブラーは、まだまだ成長を求め、今は4月19日のルヴァン杯1次リーグFC東京戦以来の公式戦出場を目指している。