J1アルビレックス新潟の松橋力蔵監督(55)が7日、聖籠町のクラブハウスで今季の総括会見を行った。冒頭ではデータや試合映像を使い、6季ぶりにJ1を戦ったチームの戦術、成果を説明。今季、リーグ中盤戦は苦戦も、後半戦は9戦負けなしで締めくくり、11勝12分け11敗(36得点40失点)の勝ち点45で10位フィニッシュとなった。就任3年目となる来季は攻撃スタイルをブラッシュアップさせながら、上位進出、クラブの初タイトルを狙っていく。

-今季を振り返って

「ポジティブな評価だが、足りない部分は尽きないので、そことしっかりと向き合っていく。いい部分を伸ばすことも突き詰める」

-10位フィニッシュ

「最後、9戦負けなしだったが勝ち点を落としたことも事実。落とさなければひと桁も見えた。前半戦も勝利に持っていけそうな試合を落としたり、ドローに終わったり。ただ、チームの成長を考えればいい順位で終えられた」

-初めてJ1でプレーする選手もいたがチームマネジメントで工夫は

「自然と(マネジメントに)つながったことはあるかもしれないが、何かをコントロールしようという感覚で(選手と)接していない。いい面も悪い面も必要なことはしっかりと伝えるが違う力をうまく使う、利用しようということよりも、自然体で向き合う」

-選手の成長を感じられるシーズンだった

「最初は緊張があったかもしれないが、試合を重ねて(勝敗だけでなく)目に見えない部分でも結果に表れ始めてからの行動、姿勢に自信を深めていると感じた。そこは日々の練習や、試合前ミーティングの姿からも感じ取れた」

-柔軟に戦い抜いた

「守備で前からプレスをかけたり、特長を出させないためにブロックを敷き、奪ったところからカウンターを仕掛けたり。うちは後ろからボールをつないで少しずつ前進するが、相手が前に人数をかけてきた時に矢印を折ることができれば景色が変わる。有効なスペース、時間、人を使って、最後に得たアドバンテージをフィニッシュに結びつけた部分は大いに評価できる。あとは最後の質」

-第9節鹿島アントラーズ戦からの10試合で1勝3分け6敗と黒星が先行した

「逆風にとらえられて流されそうな時は、こぐことも大事だが、しっかりとつかまって流されないことも大事。逆風の中を前に進んでいくことがスポーツだが、進むタイミングも大事。しがみつきながらやれることをしっかりやる。我々は全体でそこを共有できたからこそ『今だ』という時に全員でこぎ始めて前に進めた」

-来季のチーム編成のポイントは

「縦のラインなど全てだが、強化部と共有するポイントは将来性、いい選手になるための野心を持っていること。誰かの代わりの補強ではなく、将来を見据えた強化と考えている」

-来季に向けて

「今年以上。今季終盤戦の戦いをベースに。我々が進むべき方向は変わらない。さらに(サッカーを)いいものにし、結果もいいものにしていく。細かい部分を選手たちと向き合いながら、日々を重ねていく」