ガンバ大阪が、札幌の元日本代表DF田中駿汰(26)の獲得に乗り出したことが11日、分かった。複数の関係者が明らかにした。

既にC大阪、名古屋が正式オファーを出しており、強く慰留に努める札幌を含めて争奪戦を展開。ここに来て、G大阪が同ジュニアユース出身の田中獲得に名乗りを上げた。

大阪府生まれの田中は、中学時代はG大阪ジュニアユースに在籍。同ユースには昇格できず、高校サッカーの名門・履正社に進学し、大体大を経て札幌に入団していた。183センチの高さ、屈強な体を武器にした守備だけではなく、攻撃の起点にもなれ、各クラブの評価は極めて高い。

G大阪は今季、3年連続2桁順位となる16位に低迷するなど、最終盤まで残留争いに巻き込まれた。中でも守備はリーグワーストに並ぶ61失点を喫し、出口の見えない不振に陥っていた。

そこで守備の補強第1段として、名古屋の元日本代表DF中谷進之介(27)の獲得を既に決定的にしており、正式発表は秒読み段階に入っている。田中に関しては他クラブより出遅れたものの、熱意を持って交渉に入るという。

G大阪の最終ラインはここ数年、DF三浦弦太(28)が中心だったが、中谷と田中の元日本代表センターバック2人が加われば、Jリーグ屈指となる。

攻撃の補強では、湘南FW大橋祐紀(27)の獲得にも動いており、戦力的に閉塞(へいそく)感が漂うG大阪は、大型補強で一気に巻き返しを図る。

 

◆田中駿汰(たなか・しゅんた)1997年(平9)年5月26日、大阪府生まれ。G大阪ジュニアユース、履正社、大体大から20年札幌入り。大学4年時の19年にU-22日本代表でトゥーロン国際出場、同年にはユニバーシアード日本代表で三笘らと金メダル獲得、日本代表としてE-1東アジア選手権香港戦で国際Aマッチデビュー。J1通算134試合8得点。183センチ、73キロ。