セレッソ大阪が、ブラジル1部の名門アトレチコ・パラナエンセのMFヴィトール・ブエノ(29)の完全移籍による獲得を決定的にしたことが9日、分かった。14日のチーム始動に間に合うかは流動的ながら、交渉は大詰めに入り、近く正式発表される見通し。

185センチのブラジル人大型アタッカーの獲得には、推定2億円の移籍金が必要だったが、今季はクラブ設立30周年の記念イヤー。リーグ初優勝へは得点力不足解消が必須で、C大阪は異例の投資を決断した。

トップ下が主戦場のブエノは23年、リーグ戦で5得点5アシストを記録。右利きながら左足のキックも正確で、フリーキックも任せられる。185センチの高さを武器にFW兼務も可能だ。

C大阪では4-3-3システムのインサイドハーフでの起用が濃厚で、34歳の香川、清武の元日本代表MFの強力なライバルになる。

新助っ人には、昨季まで札幌に在籍した右ウイングのMFルーカス・フェルナンデス(29)の獲得も既に内定させており、ブラジル人2選手を同時獲得することになる。

C大阪の外国籍選手は、従来のキム・ジンヒョン(36)とヤン・ハンビン(32)の韓国人GK2人と、レオ・セアラ(28)、カピシャーバ(27)のブラジル人FW2人の計4人が決まっており、事実上構想外のベルギー人MFジョルディ・クルークス(29)の新天地は見つかっていない。

今回新加入のルーカス・フェルナンデスとブエノを合わせ、C大阪は一時的に外国籍7人体制となる可能性もあるが、タイトル獲得を最優先に2月の開幕を目指す。

◆ヴィトール・ブエノ 1994年9月5日、ブラジル生まれ。母国ボタフォゴ、サントス、ウクライナのクラブを経てサンパウロ、22年2月に現在のアトレチコ・パラナエンセへ移籍。185センチ。

◆ルーカス・フェルナンデス 1994年4月24日、ブラジル生まれ。母国フルミネンセから19年札幌へ移籍し、23年までの5年間でJ1通算139試合9得点(23年は22試合無得点)。右利き。174センチ、66キロ。