来季J2に降格する大分が、チーム崩壊の危機に立たされた。10日、大分市内で主力選手ら18人に来季契約の条件提示をしたが、残留を強く希望していた主将のFW高松大樹(28)、MF高橋大輔(26)、DF上本大海(27)ら7人が態度を保留した。すでに10人近くが退団や移籍が濃厚で、現時点で全30人のうち残留確実な選手は11人だけという異常事態になった。

 この日はクラブ側から条件提示と同時に経営難の現状も説明されたが、明確な再建プランが見えなかった。高松は「(返済計画等の)プランを出してくれと言った。(契約更改は)それからじゃないと。J1に上がれないと(大分でプレーする)意味がない」と話した。1年でJ1復帰を目指し残留するつもりだったが、移籍先が見つかれば退団の可能性もあるという。

 原靖強化部長が「1年でのJ1復帰」という目標をあらためて示したという。しかし、約11億円の累積損失を抱え、来年1月末の借入金が約12億円と推定される危機的状況で、ポポビッチ監督の去就も未定。来季J2で3位以内を確保しても、リーグからの借入金を返済しなければJ1に昇格はできず、選手からはその件でも質問が噴出。上本は「最悪の選択もある」と話した。【菊川光一】