川崎Fの本拠地である等々力陸上競技場が、5000人増の約3万人収容規模に改築されることが22日、分かった。川崎市が策定した「新総合計画川崎再生フロンティアプラン第3期(11~13年)実行計画素案」の中に、等々力陸上競技場の整備・改築実施の内容が正式に盛り込まれた。10月末には基本計画が発表される予定となっている。市関係者は「早ければ11年度中に着工し、13年度までには完成させたい」と話した。

 J2に降格した01年には、1試合平均入場者数は4000人にも満たなかったが、昨年は1万8000人を大きく超えた。同競技場の老朽化もあり、08年10月に川崎市役所内に「等々力緑地再編整備検討委員会」が発足。川崎F武田信平社長もメンバーの一員となり、15回の会議を重ねて意見を集約し、3年越しの計画が固まった。昨年4月には、サポーターが22万1216筆の署名を集め川崎市に提出。同10月には阿部孝夫市長も「魅力ある施設となるように全面改修」とマニフェストを掲げていた。

 23日には競技場のある川崎市中原区内で「タウンミーティング」が開催され、市長自ら市民の意見を吸い上げる。サポーターも陸上トラックに席を可動式で広げるなどの具体的な案を要望する予定だ。クラブ幹部は「本当に幸せなこと。現在も多くのファンに来ていただいているので、快適な環境が整うのはうれしい。我々は結果を出していかないと」と話した。MF田坂も「サッカー専用が理想だったけど、魅力ある環境とチームにしたい」とさらなる活躍を誓っていた。