うさぎ年にあやかって、大きくジャンプ!

 浦和は20日、ゼリコ・ペトロビッチ新監督(45)体制が始動した。今年のえとのうさぎが境内のあちこちに祭られている、さいたま市内の調(つきのみや)神社で必勝祈願後、同市内の練習グラウンドで初練習を行った。新監督が浦和の主力選手として所属していた12年前のうさぎ年は、総合15位でJ2に降格。今年こそ、昨季の10位から優勝へ、順位を跳ね上げる。

 たくさんのうさぎに見守られて、1年のスタートを切った。サポーター約50人が駆けつけた調神社で、スーツ姿の監督、選手が毎年恒例の必勝祈願を行った。調神社は全国的にも珍しい、今年のえとでもある「うさぎ」の神社。えとの知識はなかったペトロビッチ新監督も「ぴょんぴょん跳ねて上に行く、と言う話を聞いた。浦和もジャンプして、上に行きたい」と、意気込んだ。

 「情熱維新」の第1歩を浦和の地で踏み出した。練習前の約30分のミーティングでは昨季の得点シーン、失点シーン、サポーターの応援シーンを編集したビデオを全員で鑑賞。選手に気持ちの重要性を説いてモチベーションを上げてから、グラウンドへ向かった。初練習は約1時間半、フィジカル中心のメニューがピッチ全面を使って行われた。笑いの絶えないリラックスした雰囲気だったが、DF宇賀神は「楽しく走らされた感じ。運動量はあった。(新監督で)今までなかった勝者のメンタリティをつけたい」。

 かわいいうさぎでも、今年はちゃんと跳ねる。ちょうど12年前の99年、監督が浦和在籍3年目にJ2に降格した。19試合1得点とチームに貢献したペトロビッチの力も、及ばなかった。監督として迎えた2回目のうさぎ年は、勝負の年。「うさぎは小さいが、幸運をもたらしてくれると聞いた。浦和はアジアでもトップのビッグクラブ。いい年にしたい」と、真剣な表情で話した。【保坂恭子】