優等生助っ人が海を越えてやってきた。ブラジルのパルメイラスから仙台に新加入したMFデイビッド・サッコーニ(24)が4日、鹿児島第1次キャンプに合流した。ブラジル世代別代表の経験がある一方で、クラブでは何度もレンタル移籍に出されるなど構想外となって来日を決意。物腰柔らかなブラジル人が“ジャパニーズドリーム”をつかむべく、激しい中盤争いに割って入る。

 これも指揮官の期待の表れか。サッコーニの合流が練習メニューをも変えてしまった。正午に宿舎へ到着、午後から練習に加わって軽快な動きを披露。それを見た手倉森監督は「アタッカーという部分を意識して急きょ入れてみた」と、今年初となるシュート練習を敢行した。背番号「14」を与えられた新助っ人は「ブラジルは今の時期で27度くらいあるから、全然違います。寒いです」と笑いつつ「素晴らしいグループだね」とチームへの好印象を口にした。

 U-17、18、20と世代別のブラジル代表を経験。03、05年と2度日本を訪れ、仙台にも来たことがある。クラブでは頻繁にレンタル移籍に出されて構想外となっていたが、そんな過去はもう気にしていない。「行った町でプレーできるのはうれしい。日本でプレーした友達に聞いてもいいことしか言われなかった。チャンスがあったらと思っていた」と今はただ、新しい挑戦に胸を高鳴らせている。

 MF梁、関口と代表クラスがいる2列目の競争に参戦する24歳だが、この日はプレー以上に優等生ぶりが際立った。手倉森監督も「真面目だね。去年何があったかを分かっていて『仙台を幸せにしたい』と言ってくれた」と感心しきり。囲み取材を終えた報道陣には深々と頭を下げて「サヨウナラ」とあいさつした。第一印象はバッチリ。日本で成功する雰囲気は十分に漂っている。【亀山泰宏】

 ◆デイビッド・サッコーニ

 1987年4月10日、ブラジル・ミナスジェライス州アウフェナス生まれ。04年にグアラニのユースチームに入団。06年に同クラブでプロデビュー。07年途中からパルメイラスに移籍。10年以降は同クラブからたびたび期限付き移籍に出され、10年はゴイアス、グレミオ・プルデンチ、11年はナウチコ、ブラガンチーノでそれぞれプレーした。174センチ、67キロ。