<ナビスコ杯:磐田5-1清水>◇1次リーグ◇23日◇ヤマハ

 清水は、今季初の静岡ダービーで大敗した。序盤から磐田に主導権を握られ、失点を重ねた。後半41分にMF石毛秀樹(18)のFKで何とか1点を返したが、静岡ダービー最多タイとなる得点差に加えて、大量5失点での惨敗。試合後、サポーターからはアフシン・ゴトビ監督(49)に対する罵声が飛んだ。

 伝統の一戦で過去最多となる5失点での敗戦に、清水イレブンはうなだれた。会見でゴトビ監督も「私の責任。ファンを失望させてしまい申し訳ない」と謝罪した。チャンスらしいチャンスはわずか3度ほど。可能性すら感じない内容に、駆けつけたサポーターからはブーイングが飛んだ。試合後にはバスを取り囲み、解任を要求する容赦ない罵声すら飛び交った。

 ゴトビ監督はGKに今季加入の高原寿康(32)、センターバック(CB)にDF平岡康裕(26)とDF犬飼智也(19)を起用した。守備のとりでとなる中央に、今季1度も組んだことのない3人を並べたことで連係不足を露呈。ことごとくゴール前で相手選手にフリーを与え、序盤から失点を重ねた。

 4点を追う後半35分には最後の交代カードを使ってFW伊藤翔(24)ではなく、守備的なDFカルフィン・ヨンアピン(26)を投入。指揮官は「中盤でのセカンドボールを拾うため」と意図を説明。しかし、負けられない一戦で控え選手にCBの選手を2人も置くなど、采配に疑問が残った。

 試合後、ゴトビ監督は「ナビスコ杯で若手を伸ばしていくことがチームの方針。ここから我々は復帰したい。我々には大きなサポーターがついている」と、必死に顔を上げた。確かに若手の育成も大事だが、結果を求められるのがプロの世界。ふがいない結果を続けると、その大きな支えもエスパルスから離れていく。【前田和哉】