J2山形GK常沢聡(27)に、6月に第1子が誕生することが4日、分かった。常沢は今季J1東京から完全移籍で加入し、第3節の長崎戦からスタメンを奪取。好セーブを連発して4連勝、2位浮上に貢献した。新守護神は「子供が生まれてからもレギュラーでいたい」とさらなる飛躍を誓った。

 守るものがまた1つ増えた。11年に結婚した愛美夫人(25)の出産予定日は6月中旬。エコー写真を見て父親になる実感がわいてきているという。自宅に戻れば「あいさつとか、声をかけてます」とコミュニケーションは欠かさない。山形市から母子手帳ならぬ父子手帳も受け取り、新しい命が誕生する日へ向けて着々と準備を整えている。

 プロ9年間で2度の戦力外通告を受けた苦労人は、4チーム目の山形でようやく花を咲かせようとしている。7日の首位神戸戦(ノエスタ)でもスタメン出場は確実だが「レギュラーと決まったわけじゃない。前から取りに行く守備ができているから最少失点に抑えられている」と謙虚な姿勢は崩さない。神戸の次はG大阪戦(14日、NDスタ)と正念場が続くが、新たな自覚と決意を胸に、家族と山形のゴールを守り続ける。

 ◆常沢聡(ときざわ・さとし)1985年(昭60)7月31日、群馬・藤岡市生まれ。美九里東小3年から美九里FCでサッカーを始める。ポジションはGK。藤岡東中から前橋育英高に進み、3年時に全国選手権出場。04年に当時J1の東京V入団。07年からJ2草津、11年からJ1東京に在籍。J2通算48試合。利き足は右。186センチ、81キロ。血液型A。