すご腕占いインコの予想はいかに-。栃木県那須町の動物園「那須どうぶつ王国」で運勢占いをする大型インコ「ヨウム」のオリビア君(17歳、雄)が21日、サッカーW杯カタール大会の開幕に伴い、日本代表の成績を占った。占い歴8年のオリビア君。15年女子W杯カナダ大会、16年リオデジャネイロ五輪では驚異の的中率をたたき出し「神のクチバシ」とも呼ばれた。決勝トーナメント進出をかけた1次リーグは、ドイツ、コスタリカ、スペインと強豪国ぞろい。気になる日本代表の命運は?

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サッカーのグラウンドに見立てた人工芝に、悠々とオリビア君は立った。23日に行われるドイツ戦に向けて、感覚を研ぎ澄ました。「日本」「ドイツ」「引き分け」の3本の旗が設置され、どの旗を飼育員のもとに持ってくるのかで勝敗を占う。約150人の観客が見守る中、日本の旗を一直線に向かってくわえた。その後、引き分け、ドイツの旗を引き抜き、何度も迷うそぶりを見せた。日本とドイツ、それぞれの国旗をくわえては離し、熟考を重ねたが、最終的にはドイツの国旗を飼育員に届けた。

落ち込む観客を尻目にオリビア君は27日のコスタリカ戦の占いをスタート。軽快なステップを披露して、会場をくぎ付けに。またしても迷う姿を見せたが、日本の勝利と予想。観客からは歓声が上がった。ここまで1勝1敗。勝負はスペイン戦(12月2日=日本時間)だ。観客が息をのんでオリビア君に注目したが、結果は敗北予想。観客からはため息がもれたが、最後は全員で「頑張れニッポン!」とエールを送った。オリビア君は両翼を突き上げた。

オリビア君のサッカー占いは14年W杯ブラジル大会から。19年のラグビーW杯も占った。広報の宮地さくらさんによると、オリビア君は来園者の代わりにおみくじを引いて運勢を占っていた。よく当たると評判で、中には「プロポーズをすると吉」などと書かれたおみくじを引き、実際にプロポーズを成功させた来園者もいるという。占い歴は、46戦中23戦を的中させて的中率は50%。15年女子W杯カナダ大会は7戦中6戦を当て、16年リオデジャネイロ五輪では7戦中5戦を当てた。「神のクチバシ」と呼ぶ声もあったという。

オリビア君のサッカー占いを第1回からみてきたという宮地さんは「オリビアは頭が良くて、人とコミュニケーションを取るのが好きですね。どうしたら盛り上がるのか、その場の雰囲気を読むことが得意です」と話した。一方で、辛口予想となった1次リーグの占いについては「あまり当たって欲しくない(笑い)。日本優勢で占って欲しかった」と本音を漏らした。【沢田直人】

◆ヨウム オウム目インコ科の鳥類。体長30~35センチ、体重は500グラムほどになる中大型インコ。灰色の羽毛に覆われているが、尾羽は赤。原産はアフリカの中部~西部。幼児ほどの知能を持つとされ、人の言葉をよく覚える。音としての言葉のまねだけでなく、意味が分かっており人間と言葉を介して交流できるとも言われている。飼育下では50年ほど生きると言われる。ペットショップでも数十万円で販売されている。

▽過去の動物によるW杯勝敗占い

▼2010年南アフリカ大会 ドイツ・オーバーハウゼンの水族館「シー・ライフ」マダコ「パウル」(オス)がサッカードイツ代表の勝敗を占った。08年欧州選手権では6戦のうち4戦的中。W杯本戦は1次リーグのセルビア戦、準決勝スペイン戦の敗戦、さらに決勝でスペインの勝利まで8試合完全的中だった。

▼14年ブラジル大会 スイス国際援助団体の飼っているモルモット「マダム・シバ」(メス)が1次リーグE組のスイスとエクアドルの勝敗を占い、スイスを示すゾーンでふんを落とした。予想通りに2-1でスイスが勝利した。

▼18年ロシア大会 ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館でネズミ駆除で活躍した耳の聞こえない白ネコ「アキレス」(オス)が1次リーグ4試合を連続的中させた。

▼22年カタール大会 英紙「デイリーミラー」(電子版)によると、英オックスフォードシャーの牧場「フェアリーテール・ファーム」のアルパカ「アルフィー」(オス)がイングランド、ウェールズ、米国、イランの1次リーグB組の突破国をイングランドと米国と占った。