全26人が国内組のサウジアラビアが、欧州クラブの主力メンバーがひしめく優勝候補アルゼンチンに逆転勝ちする大金星を収めた。

前半10分にFWメッシにPKを決められて先制されたが、前線から守備までコンパクトな布陣で善戦。相手の追加点が、新たに導入された人工知能(AI)のオフサイド判定補助システムで取り消されるなど『運』も見方につけて、前半を0-1で折り返した。

後半に入ると流れが変わった。3分にFWシェヘリが左足で同点ゴール。同8分にはFWのS・ドサリもゴールを決めて逆転。その後も豊富な運動量でボールを拾いまくり、アルゼンチンの逆襲もGKの好守で防ぎ切った。

代表メンバー全員が国内クラブに所属。そのうち12人がACLで4度優勝を誇る強豪アルヒラルでプレーしている。この日ゴールを決めたシェヘリとS・ドサリを含む先発11人中9人がアルヒラルの所属選手。コンパクトな布陣でのパスの連係もスムーズだった。

準備は全員国内組の利点を最大限生かした。国内リーグを10月中旬に中断すると、開幕前に約1カ月間も調整期間を取り、代表メンバーで強化試合を6試合も消化した。

開催地カタールは隣国で時差もない。この日の会場で9月にアルヒラルがエジプトのクラブと予行演習の試合も消化していた。この日の会場も終始、サウジアラビアサポーターの大歓声に包まれた。あらゆる条件を見方につけた無印のサウジアラビアが、メッシ擁するスター軍団のアルゼンチンを撃破して、世界を驚かせた。