アフリカ勢初の4強入りを狙うモロッコがポルトガルに挑む。ここまで4試合でわずか1失点と守備が堅く、右サイドFWのジエシュと、右サイドバックのハキミの連係による攻撃は破壊力抜群。4試合の平均ボール保持率は30%台で、今回もポルトガルにボールを持たれる時間は長くなるかもしれないが、カウンターで一発を狙う。

ポルトガルはスイスとの決勝トーナメント1回戦で、大黒柱のFWロナウドに代わって先発した21歳のFWラモスがハットトリックを達成。若手に勢いがあり、ロナウドのプレー時間を含め、サントス監督の選手起用策も注目される。

過去の国際Aマッチでの対戦は2度あり、いずれもFIFAワールドカップ(W杯)。2試合とも1次リーグの対戦で、86年大会はモロッコが3-1で勝利し、前回18年大会ではポルトガルがロナウドの前半4分のゴールで1-0で勝利している。

以下、データ分析会社「Opta」が両チームの数々の記録的見どころをピックアップした。

◆モロッコは今試合に勝利すると、アフリカ勢では史上初のW杯のベスト4進出。アフリカ勢でW杯のベスト8まで進んだ過去3カ国はすべて準々決勝で敗退(1990年のカメルーン、2002年のセネガル、2010年のガーナ)。

◆ポルトガルがベスト8に進出するのは通算3回目で、過去2度の準々決勝ではいずれも突破している。66年の北朝鮮戦が5-3、06年のイングランド戦はスコアレスドローでPK戦の末に勝利。今大会のベスト16でのスイス戦では6得点を挙げていて、これ以前のW杯の決勝トーナメントでの8戦で記録したゴール数と同じ。

◆モロッコはW杯では現在、同代表史上最長の5試合連続無敗(2勝3分)。このうちの4戦はレグラギ監督下で記録したもので、同氏はW杯の準々決勝で指揮を執る初のアフリカ出身監督となる。

◆ポルトガルが今大会で挙げた得点数は12点で、同一大会でこれより多くのゴールを決めたのは1966年だけ(17点)。今大会の得点者数は合計8人で、同代表がW杯の一大会で記録した同選手数としては最多。

◆モロッコは今大会通算4試合のうち、3戦で無失点。アフリカ勢がW杯の一大会で記録したクリーンシート数としては最多。W杯通算では合計6試合で無失点に抑えていて、これより多い同数値を記録しているアフリカの国はナイジェリアだけ(7戦)。

◆ポルトガルのフェルナンデスは今大会ではチーム最多の5点に直接関与(2ゴール+3アシスト)。今回のW杯では3アシストを記録していて、W杯の一大会でのアシスト数としてはポルトガル代表史上最多タイ(1966年のアントニオ・シモンエスとホセ・トーレス、2006年のルイス・フィーゴと並び)。

◆モロッコのハキミは今回のW杯で記録した4得点のうち半分に直接関与(1ゴール、1アシスト)。今大会でのシュート数(6本)及びラストパス数(4本)は同代表最多で、チーム全体の総シュート数の3分の1に関与している(10/30)。

◆今大会ベスト16のスイス戦で3ゴールを挙げたポルトガルのゴンサロ・ラモスは、2002年大会のドイツ代表FWクローゼ以来となる、W杯での自身初先発でハットトリックを記録した選手となった。スイス戦での74分間の出場で3得点を決めたラモスに対して、ロナウドはW杯の決勝トーナメントでは通算531分間の出場でノーゴール。

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