サッカー日本代表の西野朗監督(63)は31日、都内で開いた会見で、ワールドカップ・ロシア大会の日本代表メンバー23人を発表した。

 西野監督は、井手口陽介(21=クルトゥラル・レオネサ)、浅野拓磨(23=シュツットガルト)、三竿健斗(22=鹿島アントラーズ)の3人を外した理由を「トップパフォーマンスだと自分の中で持てなかった」と語った。一方、所属のスペイン1部エイバルの練習中に右太ももを痛め、全体練習に参加できなかったFW乾貴士(29)を残した理由について問われると「井手口や浅野の比較ではなく、彼がプレーできるという部分を考えた。彼のスタイルは(代表の中では)少ない。そこは最後まで求め、メディカル的に問題ない」と説明した。

 西野監督は、落選した3選手について「非常に有望な若手の3人なんです。この舞台に立たせてくれたのも、彼らの力が大きいですし、代表でのパフォーマンスは強く感じていますし、求めたかったし求めたいです。ただ、彼らの現状がそういう環境でなかったということ」と語った。浅野は18年に入り、ドイツ1部で1試合も出ていなかった。また、井手口もスペイン2部で2月18日の試合に出て以降、初だった。そのことを踏まえ「鍛えられている彼らでいたと思い、期待して確認したいということで招集した。パフォーマンスは上がった。制限された時間でトライしてくれた。可能性に関しては考えたいところだが…現時点でのトップパフォーマンスだと自分の中で持てなかった。これからの日本サッカーを背負ってくれる選手だと思う」と語った。

 一方、乾は負傷で別メニュー調整が続き、最後まで実戦練習に加われなかった。筋肉に大きな血腫があったといい、本大会には間に合わない可能性もあったが「ゲーム(ガーナ戦)が昨日終わって、その点、乾に関しては…岡崎(慎司)もそうですが、30日のゲームまでに(選考する上で)どれだけ回復するか否かの基準はあると本人に伝えました」と説明。その上で「乾もゲームに入れる、強引に入れる…でも避けさせました。リスクがあるので。全体に合流できる確証があった」と乾は、やや無理すればガーナ戦に起用できる状況だったと説明した。

 その上で「彼のメディカルをどう捉えるか、メンバーへの影響も考えた。井手口や浅野の比較ではなく、彼がプレーできる。彼のスタイルは少ない。そこは最後まで求め、メディカル的に問題ない。ゲームでは確認できなかった…でも2週間前、トップフォームで良かった。その予測のもと、彼だけ(の状況を)考え、間に合うと考えた」と重ねて強調した。【村上幸将】