W杯ロシア大会に臨む日本代表に選出されたMF大島僚太(25=川崎フロンターレ)が31日、神奈川・川崎市内で取材に応じた。

 前日30日の親善試合・ガーナ戦を挙げ「昨日の試合で内容も結果も出なかったので。選ばれて、内容も結果も出せるようにしっかりと準備したい。W杯は国を代表して戦う大会。責任も重圧もありますけど、その中で日本らしさを示して結果にこだわって勝ちにいきたい」と意欲を見せた。

 静岡学園高卒業後は、当初は大学に進学し、サッカーをやめようと思っていた。だが、秋に川崎Fの強化部の目に留まり、異例の10月の加入内定が決まり、人生が変わった。今、W杯の舞台に立つことに「奇跡だと思います」。

 所属クラブからはW杯は10年にMF中村憲剛、GK川島永嗣、MF稲本潤一が日本代表に選出され、14年はFW大久保嘉人が選ばれた。「僕自身がプロになるかも分かりませんでしたし、その中で川崎フロンターレというチームに拾ってもらって、身近で言えば(中村)憲剛さん、(大久保)嘉人さんが出て、川崎にいたら代表が見えてくると初めて感じた」と振り返る。

 中でも中村とは中盤でコンビを組み、戦術眼を一から教わった恩人でもある。「僕自身がプロになるときには、何も分からなかった。サッカーでどう勝つか。試合でどう勝つか考えずにプレーしてきた。そういったことを1から教えていただいて。見よう見まねでやってみることから始まった。すべてを教えてもらったと感じています」と感謝の言葉を口にした。

 静岡学園はFWカズ(三浦知良)ら数多くのプロ選手を輩出した名門だが、W杯のピッチに立つのは大島が初めて。「柔よく剛を制す」の考えで、徹底して技術を身に付けた。「プロになる基盤は静岡学園でつくってもらえた。僕みたいな身長というか体格でも日本を代表する選手になるチャンスをもらえるのはうれしいですし、静学という技術を大事にする教えをやってきてよかったなと思います」と話した。

 ガーナ戦では西野朗監督が「終盤の展開で欠かせなかった」と高い評価をし、90分フル出場を遂げた。それでも「僕自身は攻撃の部分を評価してもらったと思っているので。負けていた展開で攻撃にというメッセージだったと思う。そういった意味で点が入らなかったのは、自分自身は情けないなと思っている」と満足はしていない。

 短い準備期間での本大会突入になるが「まだまだ攻撃の部分でどう組み立ててゴールに導くか、その共有ができなかった反省がある。今回選んでもらえたことで、それを改善するチャンスもあると思う。そこはチームメートとしっかり話して改善していきたい」と日本代表として戦う強い気持ちを言葉に込めた。