【ルガノ(スイス)7日】サッカーワールドカップ・ロシア大会に出場する日本代表MF本田圭佑(31=パチューカ)が、今日8日(日本時間9日未明)の国際親善試合スイス戦で、W杯で勝てるチームの土台作りを一気に進める。FIFAランク6位の強豪相手に、守備プランを試し、足固めをする。チームはチャーター機でオーストリアからイタリア入りし、陸路でスイス戦の開催地ルガノに入った。

 本田は厳しい表情でミラノ・マルペンサ空港に降り立った。かつてのホーム、その玄関口。ACミランの練習場や、スイス戦の会場ルガノに近い。チャーター機のため選手全員が珍しくジャージー姿だったが、本田はリラックスムードとはほど遠かった。

 早くも頭でチームを組み立てている。それも土台から。6日の事前合宿地ゼーフェルトでの練習後、トップ下で先発濃厚な強豪スイス戦の狙いを明かした。

 「守備ですね。守備。守備が良ければ、しっかりと攻撃の特長は出る。スイス戦に限って言えば、幾つか試したいパターンがある。(相手を守備の狙いで)はめられたパターン、はめられない場面でのプレス。大きく言えばその2つ」

 急きょ誕生した西野ジャパンの活動は実質2週間ほど。前体制の積み上げはあるが、W杯に向け突貫工事中。その土台作りを一気に守備から、スイス戦でやる。

 本大会前の停滞ムードを8年前、岡田ジャパンになぞらえる向きもある。これは「内容は全然違う。同じではない。戦術においても全然違う。作業も自分の立場もまるっきし違う」と否定。ただ、当時の経験を「全部だめになっても、あのやり方はできる」と、全員で守って守って守り倒す形で“保険”にしながら、より良い形にトライする。

 「前に進んでいる。停滞感は一切ないし、みんなが努力している」。戦術のすり合わせが進み、守備や攻撃の約束事ができつつある。現チームは対話路線。「その議論の中心には本田選手が?」と聞かれると、迷わず「みんながいます」と一丸を強調した。

 ここに来てまだチーム作り? という不安はあるが、本田はあくまで「W杯優勝」を狙う。テレビの囲み取材では日本のW杯優勝を「応援する側に立っても変わらない」と、揺るぎないものであるとした。チーム作りを劇的に前に進める勝利を求め、いざスイス戦。「試したいことはしっかり出す。そこで勝ちにいく。勝ちにいくところまで、こだわってやりたい」と言い切った。【八反誠】