10年大会以来2度目のV奪還を目指す「無敵艦隊」スペインは、日本時間の16日午前3時にポルトガルとの初戦を迎える。開幕前日の監督解任劇に見舞われる中、期待がかかるのが、ワールドカップ(W杯)後に神戸に合流するMFアンドレス・イニエスタ(34)だ。プレーもさることながら、その人柄にも称賛が集まる推定年俸約33億円の男の素顔とは? 先月の2泊3日の来日に立ち会った神戸のスタッフの証言を集めた。これでW杯もその後も、予習はばっちり!?


◆5月24日


◆午後 専用機で羽田空港に来日

◆午後4時半 都内ホテルで会見。報道陣211社348人

◆午後6時 東京ドームのプロ野球の楽天-オリックス戦の試合前セレモニーに登場。その後、都内の三木谷社長自宅ですしなど歓待


神戸への入団発表を終えたイニエスタ(中央)は、楽天の三木谷会長(右)と梨田昌孝監督と東京ドームの試合に訪れ記念撮影
神戸への入団発表を終えたイニエスタ(中央)は、楽天の三木谷会長(右)と梨田昌孝監督と東京ドームの試合に訪れ記念撮影


 ●24日午後 新加入会見。バルセロナ時代のユニホームの背番号「8」を提示されると、気を使ったのは前保持者のMF三田に対して。すぐに電話をつないでもらい、「背番号をありがとう」と伝えた。26日にクラブハウスで対面すると、固くハグして感謝の気持ちを伝えた。


三田に感謝のハグをするイニエスタ
三田に感謝のハグをするイニエスタ


 ●会見後 ユニホームを1度回収しようとすると、僕のだと言わんばかりに離さない。26日のウエルカムイベントまで預かるだけと伝えるとホッとした様子。真新しい勝負服へ、サッカー少年のような無邪気さをのぞかせた。


神戸に加入が決まり、ユニホームを持ち笑顔を見せるイニエスタ
神戸に加入が決まり、ユニホームを持ち笑顔を見せるイニエスタ

◆5月25日


◆午前 渋谷の楽天カフェ、楽天本社を訪問

◆午後 JFAハウス訪問。「キャプテン翼」の作者高橋陽一氏から特製イラスト贈られる。神戸へ移動して新居探し。夕食は鉄板焼きで神戸牛などに舌鼓


楽天カフェの壁面にサインするイニエスタ
楽天カフェの壁面にサインするイニエスタ


 ●25日午前 都内の楽天本社を訪れた際に、三木谷社長に誘われて社食へ。口にしたのは牛丼。ボール扱いのような? 巧みな箸さばきで完食した。「おいしい」と笑顔。



 ●25日午後 東京から神戸に移動し、住居探しへ。何軒か回り、日本庭園に興味津々。「大好きな国。日本で好きなものは全部です」と会見で日本愛を語ったが、その通りだった。24日夜には三木谷社長宅ですしをほお張ったが、生魚などもおいしそうに食べた。



 ●25日夜 翌日にウエルカムイベントを控え、「ファンは来てくれるのかな」と心配して自ら企画立案。急きょ抽選会をする運びとなり、大人と子供各10人にツーショット写真サービス、自身のブランドのワインをプレゼント。


◆5月26日


◆午前8時 クラブハウスを訪問

◆午前10時 ノエスタでウエルカムイベント。8281人集まる

◆午後 専用機でスペインへ



 ●26日午前 クラブハウス訪問時、ユース選手ら約50人全員に握手。ウエルカムイベントでファンと交流した際にも、時間短縮の意味もあって当初はハイタッチを計画したが、自ら1人1人丁寧に握手。


神戸ユースの畝尾からスペイン語でのウェルカムスピーチを受けるイニエスタ
神戸ユースの畝尾からスペイン語でのウェルカムスピーチを受けるイニエスタ


 ●26日午前 クラブハウス訪問の際には、自ら希望してスケジュール外だった若手寮へ。バルセロナ式の育成理論を導入したい希望がある。



 ●26日午後 24日午後の来日から26日午後の離日まで分刻みのスケジュールも、1度も遅刻なし。時差ぼけの影響も感じさせず、疲れた表情も見せなかった。その姿に神戸スタッフ一同の共通の印象は「謙虚。まったく偉ぶらない」。サッカー界で1人も悪く言う人がいないとされるが、それが分かるような滞在だったという。


ユース選手らに歓迎を受けたイニエスタ
ユース選手らに歓迎を受けたイニエスタ
ウエルカムイベントでサポーターの声援に応えるイニエスタ
ウエルカムイベントでサポーターの声援に応えるイニエスタ