ワールドカップ(W杯)ロシア大会の優勝候補の一角であるフランス代表が15日、オーストラリアとの初戦に向けてカザンの試合会場で公式練習と前日会見を行った。

 チームの攻撃の核であるFWグリーズマン(27=アトレチコ・マドリード)がクラブ残留を明言したばかり。会見に出席したデシャン監督は「最も大切なことは彼がW杯に集中できることだ。我々にとって(残留表明は)とてもいいことだ」と、移籍話から解放されたグリーズマンの躍動に期待した。

 若手とベテランがうまく融合している。背番号10を背負う19歳FWエムバペ(パリサンジェルマン)はモナコでプレーした昨季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)で4試合連続ゴールを奪った新星だ。バルセロナに所属するFWデンベレは21歳。マンチェスターUのMFポグバ、史上初の欧州CL3連覇を果たしたRマドリードの主力であるDFバランはともにまだ25歳だ。そこに経験あるグリーズマンをはじめFWジルー(31)、MFカンテ(27、ともにチェルシー)らが健在だ。チームを束ねるGKロリス主将(31=トットナム)は「我々にも希望はある。ブラジル、ドイツ、スペインなど、偉大な国がそろっている。すべての試合がチャレンジだ。1つ1つに集中したい」と言葉に力を込めた。

 MFジダン(元Rマドリード監督)を擁した98年大会以来2度目の優勝を勝ち取る戦力は十分にある。優勝時のメンバーだったデシャン監督(49)は「若い選手もビッグクラブで経験を積んでいる。まずは1次リーグを突破することだ。オーストラリアは攻撃力があり、組織化されていて規律もある。初戦が非常に重要だ」と気合いたっぷりに話した。

 練習は冒頭約15分が公開され、選手はリラックスした表情も見せながらストレッチなどで体を動かした。