イランが、経済制裁の逆境をはねのけ、ロスタイムのオウンゴールでモロッコに競り勝ち、98年フランス大会以来、20年ぶりにW杯で勝ち点3を手にした。米スポーツ用品大手のナイキは、米政権のイラン核合意離脱と制裁再発動を受け、大会直前にシューズ提供中止を表明。非常事態の中でもFWアンサリファルドら4人がナイキのシューズを着用しピッチに立った。

 序盤からモロッコの猛攻を浴びるも、アジア予選で史上最長となる12試合無失点の鉄壁の守備陣が耐える。0-0で迎えた後半ロスタイム、左タッチライン近くからの直接FKで、DFハジサフィのクロスが相手のオウンゴールを誘い勝負を決めた。くしくも、20年前に勝利した相手は米国。ハジサフィは「今までのサッカー人生の中でも最高の勝利の1つになった」と振り返り、ポルトガル人のケイロス監督は「政治とスポーツは別。イランの選手にも普通にサッカーを楽しんでもらいたい」と訴えた。