日本代表の西野朗監督(63)は、後半28分のFW大迫勇也(28=ブレーメン)の劇的な勝ち越しヘッドで、2014年6月24日のブラジル大会1次リーグ1-4と大敗して1次リーグ敗退を喫した因縁のコロンビアを撃破し、ワールドカップ初采配で日本をワールドカップ初となる南米のチームの勝利に導き、新たな歴史を作った。

 西野監督は「落ち着いて選手が入ってくれて、先制したのが非常にリズムを作れた要因」と、前半2分40秒過ぎにMF香川真司(29=ドルトムント)の左足シュートがMFのC・サンチェスの右腕に当たり、レッドカードで1発退場を誘うとともにPKを獲得。そのPKを、香川が落ち着いて右足でゴール中央に決めた先制弾が大きかったことを強調した。

 前半39分には、MFフアン・キンテロ(25=リーベルプレート)にグラウンダーのFKでゴール右隅に決められて追いつかれたが、その後も数的有利を生かして主導権を握った。後半14分に、コロンビアが左ふくらはぎ痛や疲労で先発を回避した、エースのMFハメス・ロドリゲス(26=バイエルン・ミュンヘン)を投入すると、同25分に香川に代えてMF本田圭佑(32=パチューカ)を投入し、同28分、本田の左CKを、FW大迫勇也が頭で押し込み勝ち越した。

 西野監督は「リアクションだけにならず、自分たちがボールを持てるだけでゴールを目指す中盤の攻勢を考えた。柴崎(岳)あたりが良くやってくれた。10人というのは考えず、ポジションに優位になるのを考えた。優位に作られたと思う」と主導権を握っての勝利を強調。そして「これは選手がタフに戦ってくれた結果」と冷静に振り返った。