ワールドカップ(W杯)ロシア大会からビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が採用されている。これからW杯1次リーグはより激しくなり、VARの活用は活発化していくことが予想される。もう1度、VARについておさらいをしてみた。 

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 Q:導入することになったきっかけは?

 A:3月のFIFA理事会で、採用を決定したインファンティノ会長は「歴史的な決断だ。より公平で透明なスポーツになる」とスピーチしている。その背景には86年大会のアルゼンチン代表マラドーナのいわゆる「神の手」ゴールに代表される誤審をなくすことが大きな目的となっている。

 Q:いつから運用されているの?

 A:16年クラブW杯準決勝の鹿島-ナシオナル・メデジン戦で、鹿島のDF西の被ファウルが映像で認められ先制PKを獲得した。

 Q:VARに適用されるのはどんなケース?

 A:4つのケースに限定されている。<1>得点<2>PK<3>一発退場<4>警告、退場などの選手の取り違い。いずれも試合結果を左右するケース。FIFAがVARを採用する際の説明としてわかりやすい言葉として「ピッチの小さい石はそのままに、大きな石は取り除く」とのフレーズがある。 

 Q:運用上のポイントは?

 A:VARを担当できる資格を有したスタッフが控えるVARルームで4項目にかかわるプレーがあった時に、主審に無線などで瞬時に連絡が入る。その上でピッチ脇のモニターを見るかどうかはあくまでも主審の判断。モニターを確認した上で最終判断も主審に委ねられている。なお、VARを選手、監督が求めることはできない。選手、監督が求めた場合は警告の可能性がある。

 Q:ロシア大会での効果は?

 A:フランス-オーストラリア戦で、フランスのグリーズマンがペナルティーエリアで倒れ、主審は流したがVARを適用し映像を見てPKとなった。W杯で判定が覆りPKとなった初のケースとなった。