日本代表MF本田圭佑(32=パチューカ)が伝説級に肩を並べた。セネガル戦は1-2の後半27分から出場し、33分に勝ち点1を手にする同点弾。代表でのゴールは16年9月、アジア最終予選UAE戦以来だった。当の本人は「結構あいてますね。忘れてました」とあっけらかん。大舞台で結果を残し続けてきた勝負強さは無類だった。

 初戦のコロンビア戦では大迫の決勝点をアシスト。10年南アフリカW杯から3大会連続でゴールとアシストをそろえた。これは英BBC放送によれば、66年イングランド大会以降にイングランド代表ベッカム、オランダ代表ロッベンら5人しか達成していない快記録だ。ただ本田は自身のことは気にも留めず、「追いついたということに関しては。いいとは思わないけど」と悔しげな顔さえ見せた。

 考え続けてきたことが生きた。「サッカー人生で、サブに対しどれだけ前向きに考えるか」。不動のスタメンだった14年大会までとは違う。ベンチから戦況を見守る時間は増えた。今大会も直前まで香川とトップ下を争い、控えに甘んじた。だからこそ、腹を決めてピッチに向かった。「1発目で決めないといけない」。途中出場から6分で担った仕事を全うした。

 年長となり、チームをまとめる意識も強まった。試合後、その思いが噴出。「代表にいる選手は(試合に)出られないメンバーを含め、日本人には想像もできないような努力をしてきている。それをしっかり見てほしい。(評価の)上げ下げを楽しむのは僕だけにしてほしいですね」。結果が出なければ批判は自分が受ける。そんな覚悟もにじむ言葉だった。

 ポーランド戦で引き分け以上なら無条件で突破が決まる。優位な状況下にも「しっかり準備する」と言葉は少なかった。本田にとってはまだ、何も成し遂げていないからだ。【岡崎悠利】