西野朗監督(63)率いる日本が、28日の1次リーグ最終戦ポーランド戦で2大会ぶりの決勝トーナメント進出を目指す。24日の第2戦も数々の強運伝説を持つ指揮官の采配、起用がさえ渡り、セネガルと2-2で引き分け、1勝1分けとした。直後にコロンビアに敗れたポーランドの敗退が決定。最終戦は引き分け以上なら他の試合結果にかかわらず、1次リーグを突破する。

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 77年に西野監督を日本代表に招集した元日本代表監督の二宮寛氏(81)が、今回の快進撃の背景に指揮官の「人間力」を挙げた。監督として大切なのは「ありのままの自分をさらけだすこと」といい、「西野君は100%さらけだしている。この2カ月で選手を自分の心に引き寄せ、受け入れ、心の融和を図った。人間としての器が半端でないことの証明」と分析した。

 自身の代表監督時代に有望選手を親交の深いドイツの故ヘネス・バイスバイラー氏が指揮するケルンに留学させた。西野監督もその1人。同氏が「奥寺(康彦)、西野、金田(喜稔)はチームに受け入れられている。キャラクターがいい」と人間性を評価したことを今でも覚えている。言葉が通じない相手にも魅力を感じさせた西野監督は、Jリーグ監督時代も周囲から「助けてあげたい」「男にしたい」と声が上がった。「これは、西野君が日常生活で培った能力。計算されてないからこそ周囲は母性本能をくすぐられるんでしょうね」と、ほほ笑んだ。【岩田千代巳】