日本代表GK川島永嗣(35=メッス)が猛省し、次戦の1次リーグ突破がかかったポーランド戦(28日、ボルゴグラード)に向けて切り替えた。前日24日のセネガル戦、前半11分に敵へ“パス”を送るようなミスをし、先制点を献上。3大会連続出場の守護神は自らのミスを認めつつ、ベテランらしく、引きずることなく、前を向く。ポーランド戦までは中3日。変わらずに背中で引っ張っていく。

 真夏のような日差しの中、川島に笑顔が戻った。練習前には、MF本田らとボール回しでリラックス。セネガル戦の先発組は軽めの調整で、ピッチをウオーキング。その列の先頭は、川島だった。前夜のミスを引きずっているようには見せない。堂々とした様子だ。切り替えることの大事さを、チームに教えているかのようだった。

 前日のセネガル戦。前半11分だった。MF原口のクリアボールをセネガルDFサバリに拾われ、そのままシュートを放たれた。真正面で構えた川島だが、キャッチせずに、前方へパンチング。フリーで飛び込んできたエースFWマネに押し込まれた。マネ自身も「足に当たってゴールに入った。本当に足に当たったという感じ」と驚いた。

 思わぬ形で敵に“パス”してしまった格好になり、先制点を献上。川島は、自らのミスを悔やんだ。

 「自分のところから失点してしまって、かなり(展開を)厳しくしてしまった。(パンチングは)前の選手が気になってしまった」

 試合後は仲間のGK東口や、コーチ陣とすぐに話し合ったという。

 東口は「GK目線では前の選手が気になってパンチングというのは分かる。結果論としてはキャッチしておけば良かったけど。永嗣さんも『安全にいきすぎた』と話していた」と明かした。反省し、理由を分析しつつも、気持ちは切り替える。長年、日本代表の守護神を務めてきた男だからこそ大舞台でも動じない。

 西野監督からの信頼も厚い。ミスの場面には「難しい対応ではなかったと思う」としながらも「その後のリカバリーは永嗣らしい」とたたえた。さらに「修正をしてピンチも救った。彼も悔やんでいると思うしトータル的に(起用を)考えれば。ただ、もっとしっかり分析しないといけない」。次戦は指揮官次第だが、川島からは、ゴールマウスを守り続けるプライドがにじみ出ている。【小杉舞】