サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会1次リーグH組第3戦、日本対ポーランドの公式会見が27日、会場のボルゴグラード・アリーナで行われた。日本は西野朗監督(63)とGK川島永嗣(35=フランス1部メッス)が出席。公式練習を控える川島からの質疑応答が終わった後、西野監督が対応した。

 まず、気温40度を超える酷暑ボルゴグラードでの試合について「(前日にチャーター機で)タラップを下りた時、予想以上の湿度だった。ただ、いいゲームが続いたので選手の疲れは半減していると思うが、実際には1人1人、疲弊している中で戦わなければいけない。明日のメンバー、これから始まる(公式)トレーニングの中で最終的に確認し、決定したい」と説明した。

 日本人サポーターについては「第1戦はコロンビアの方が多かったですけど、声で負けない応援をしてくれた。セネガル戦は数も多く、非常に心強かった。大会中は日本の状況が分からない。想像するに(マイアミの奇跡を起こしたアトランタ)五輪での盛り上がりのように、想像以上に、国内で日本代表に関心を持ってもらえる、注目してもらえている。その中で国民に感動や希望を与えられるような試合をしたい。まず、いいゲームを。強い声援、応援をいただけると思うので。チームとして力は残っている。いいゲームをしたい」と全力を尽くすと約束した。

 1次リーグ敗退が決まっているポーランド対策、攻撃の狙いどころに関しては「W杯に消化試合はない。何とか日本戦で一矢(報いよう)と思っているはず。世界屈指のストライカー(レバンドフスキ)も、何とかゴールを(現在無得点)と思っているはず。明日は強いポーランドがいる。それ以上のスピリットを持って。欧州予選を勝ち抜いてきた相手をリスペクトしたい。ただ、この2戦、我々も強い自信を得た。しっかりボールを味方につけてクオリティーの高いゲームをやりたい。決して崩せない相手ではない。人もボールも動く、日本らしいクイックネスを持って、ゴールに向かいたい」と話した。

 過去2戦は走り勝ってきた中で、暑い中でのゲームプランを問われると「これから確認したい。チーム全体で(走行距離が)100キロそこそこ。国内(Jリーグ)では110~120キロが普通。多くはないが、クオリティーの問題。スプリントの同時性、連動性。無駄に動いてない感じがしますし。ボールは疲れを知らないので有効に使いたい。攻守の切り替えが速く、好機と見た時に全体で走ったり、共通した戦術の中で動きに無駄がない」と好調の理由を語った。そして「そうしないと疲弊してくる。持久戦に関しては日本人は高い能力を持っている。粘り強く、戦況を見ながら。他会場の結果も選手に伝えるつもりはない。情報が入って動きが変わらないようにコントロールして。デリケートな第3戦。ベンチワークも重要になると思います」と、同時刻にキックオフとなるコロンビア-セネガル戦のスコアは基本的には選手に伝えない意向も明かした。

 最後に、セネガル戦で1得点1アシストと活躍したMF乾の評価を求められると「予想以上のパフォーマンスを出してくれている。彼はアクセント、ほかの選手にないドリブルで数的優位をつくれる。(当初は)けがしていたのでスタートではどうか、とは思っていた。途中から出てアクセントをつける、という見方をしていたが(12日の最終調整試合)パラグアイ戦で。本来のチャンスメークだけではなく、得点、アシストを表現してくれた(2得点)。あのゲームからスタートでいけると。守備面でも貢献できる。あの体(最軽量タイの59キロ)ですけど、クレバーに。そして、決定的な仕事ができる。本大会に照準を合わせてくれた彼がいた。いい状態でいると思います」と評価した。