W杯ロシア大会は1次リーグの最終盤を迎えています。今夜は日本にとって運命のポーランド戦ですが、すみません、開幕前の話です。

 1次リーグ対戦国の情報を集めるべく、5月下旬、セネガルへ3泊6日で行ってまいりました。アフリカ大陸最西端の首都ダカールまで片道36時間。アリウ・シセ監督のインタビュー、マッキー・サル大統領への直撃取材など紙面でお届けしてきましたが、まだ出していなかった、正しくは出せなかった話があります。

 それは、セネガルの「クレールヴォワイヨンス」という占いの話題です。滞在中、その占い師バイ・ダムさん(年齢非公表)をダカール市内に訪ね、日本戦の結果を予想してもらっていた件です。24日に終わった第2戦の日本-セネガルは2-2の引き分け。この試合の勝敗、もちろん占ってもらいましたが、書けませんでした。試合前に公にした場合「あなたは呪い殺される」と宣告されていたのです。そして「終わったら自由にしなさい」とも。

 つまり、試合後はOKとのこと。占い、予想の類では禁じ手の「後出し」であることを承知の上で、ノートを見返し、ここで公開することにしました。信じるか、信じないかは…。取材日は5月25日。根拠を問われれば、しっかり録音を残してあること、としか言えない状況ではありますが、よろしければ。

 それでは、さっそく結果発表です。日本-セネガルの予想は「引き分け」。見事に的中していたのです。内容も「得点を伴ったドローになる。セネガル人が2人、ゴールして喜ぶ姿が見える。日本も同じ。結果は2-2だ」とスコアまで当たっていました。日本の得点者に関しては「1人は彼だ」。代表メンバー27人(当時)のリストを見て、指さしたのが本田圭佑。「彼が決める。先発ではない。途中から出てきて決めるシーンが見える」と完璧に言い当てていました。得点順は逆でしたが、1点目の同点弾を挙げた乾にも触れ「この男も大会で何点か決める」。その時は負傷中で23人に残るか微妙な立場でしたが「大丈夫だ。良くなる」と言い切っていました。

 この占いは、人名に手をかざすと光が浮かび上がって、最後に未来が“見える”というもの。今回の場合は本田圭佑を「Keisuke Honda」とローマ字で紙に書き、手をかざし、上下左右に動かしていたら突然“見えた”となりました。幼少時から能力があったといい、過去の実績を尋ねると「前大統領がマヨット島を訪問することを当てた」と。真偽不明ですが、すごいことらしく、そのままお伝えします。

 ちなみに「呪い殺される」と脅してきた後、小声で「私も襲わちゃうかもしれないからね」と付け加えました。事前公開がNGだった真の理由は、16年ぶりの出場に沸くセネガルの勝利を予想しなかったからなのでしょうか。いずれにしても、自身の安全確保が理由の1つだったようです。

 全選手を占ってもらったのですが、GKについては「カワシマが試合に出るだろう。しかし、試合中に余計なことを考えてしまい、気になって頭から離れなくなって、その間に点を取られる」と言っていました。結果的に、川島選手のミスが出た後に失礼ではありますが。考え事などしているはずもありませんが。確かにそう言っていたのです。

 ほかには「コロンビアから2ゴール」。得点者こそ明確には言いませんでしたが、2-1で勝利。「シンジ・カガワは困難を乗り越えて決める」。負傷から完全復活してコロンビア戦で先制点を挙げており、結びつければ的中です。「オカザキが負傷する」も、大会直前に両ふくらはぎ痛で別メニュー調整していたことをズバリ指していたのでしょうか。

 しかし、その後は…。「オオシマとウエダが得点する。すごいゴールだ」としたものの、MF大島とDF植田はまだ出場していませんし、極め付きは「アサノとイデグチも決める」。2人は27人から23人に絞り込まれた際に、バックアップメンバーになりました。

 「呪われている」選手も何人か“見えた”そうで、その呪いを解くためには「5キロの炭をナガサキに持っていき、燃やしなさい」とも。内容はともかく、この未来を見る行為は相当に疲弊するそうで。最後は数打ちゃ当たる的な雰囲気になりながら、全選手を流れ作業的に占っていき…。結果は割愛します。

 その上で、最後に注目の1次リーグ結果です。今夜の第3戦ポーランド戦を前に、今度は事前掲載できますので、正真正銘の占いです。予想は「2勝1分けで突破する。日本がグループの中で最も強い」。現在1勝1分けなので、ポーランド戦は勝利の予想です。

 監督について聞くと「アキラ・ニシノは全力を尽くすだろう。頑張ればベスト16に到達する。もっと頑張ればベスト8だ。私には見える」。さらに「欧州のビッグチームを倒すだろう」と付け加えました。一例として挙げたのが「イングランド」。勝ち上がり次第では、決勝トーナメント1回戦で激突する可能性がある相手です。もし本当に1次リーグを突破し、欧州の強豪に勝てれば日本初の8強が待っているのです。

 余談ですが、占い料は5万フラン・セーファ(約1万円)。セネガル国民の平均月収に当たるほど高額だったのですが「27人も占ったんだから。頼むよ」。本当に日本が8強に進めるのであれば安いものです。結果や、いかに。【木下淳】