日本サッカー協会(JFA)相談役で、元キャプテンの川淵三郎氏(81)が29日、ツイッターを更新し、19日のワールドカップ(W杯)ロシア大会1次リーグ初戦で日本代表と対戦し、序盤にハンドで1発退場して敗戦の要因となり、脅迫を受けていたコロンビア代表DFのC・サンチェスが、コロンビアが1次リーグを突破したことで、94年アメリカ大会の際、オウンゴールで敗退の要因となり、帰国後に暴漢に射殺されたアンドレス・エスコバル選手の悲劇のような危険から「回避される」と安堵(あんど)した。

 C・サンチェスは日本戦の前半2分40秒過ぎ、FW大迫勇也(28=ブレーメン)が左足で放ったシュートをGKオスピナが弾いたこぼれ球を、MF香川真司(29=ドルトムント)が左足でシュートしたところに止めに入ったが、ボールが右腕に当たり、レッドカードで1発退場するとともにPKを与えて失点。チームは数的不利の中、1度は追いついたものの終盤は動きが落ち、大迫のゴールで1-2で敗れた。

 その後、C・サンチェスには脅迫状が届いたり、ツイッター上でもエスコバル選手の写真を並べたツイートや、「コロンビアに帰ってこない方がいい」などの脅迫ツイートが相次いだ。エスコバル選手が1次リーグ敗退後、クロスボールの処理を誤って献上したオウンゴールについて「ファンやマスコミに説明する義務がある」などと責任感を持ってコロンビアに帰国後、暴漢に囲まれ「オウンゴールをありがとう」と言われ、全身に12発の弾丸を撃ち込まれて殺害されたことを想起させるツイートが横行していた。

 川淵氏は「コロンビアが勝ってホッとした。というのもアメリカ大会の時エスコバル選手のオウンゴールで負けた事で彼はマフィアに銃殺された。その悲劇は回避される。日本にPKを与え退場させられたサンチェス選手はさぞ安堵した事だろうと」と、コロンビアが日本とともに1次リーグを突破したことで、C・サンチェスが悲劇に巻き込まれないであろうことに安堵(あんど)した気持ちを吐露した。