2人のスーパースターがワールドカップ(W杯)の舞台を去った。クリスティアノ・ロナウド(33=Rマドリード)のポルトガルは1-2でウルグアイに、リオネル・メッシ(31=バルセロナ)のアルゼンチンは3-4でフランスに敗れた。世界最優秀選手賞を意味する「バロンドール」を最近10年で5回ずつ分け合ってきた両雄は、4度目の出場でも悲願の世界制覇に届かなかった。年齢的にはともに今大会が集大成。W杯の歴史の中で1つの時代が終わりを告げた。

 メッシは試合終了の笛を聞くとぼうぜんと立ち尽くして遠くを見つめた。前回のブラジル大会決勝で最後のFKを外し、笑みを浮かべて敗退を受け入れてから4年、集大成で迎えた今大会で本来の輝きを発揮できなかった。最後のW杯になる可能性もあるだけに、あまりにもつらい結末だった。サンパオリ監督は「メッシを生かすためのさまざまな戦術を取ったが…」とコメント。全4試合すべてで攻撃陣を入れ替えてメッシの相棒を探し続けたが、最後まで見つけられなかった。

 所属クラブでは欧州CL4度、リーグ9度と多くのタイトルを獲得したが、アルゼンチン代表ではW杯と南米選手権は準優勝止まり。母国の英雄マラドーナ氏を完全に超えるにはW杯のタイトルが必要だったが、悲願達成は遠かった。数々の記録を塗り替えてきたスターでさえ、4度目の挑戦となった今大会でも頂に届かず、W杯を終えた。