スター選手不在を組織力で補う堅守速攻が威力を発揮してきたスウェーデンと、1次リーグ3試合で5得点と攻撃陣が好調なスイスがぶつかった。過去の対戦成績はスイスが11勝7分け10敗とわずかにリードし、直近の2試合はスウェーデンが1勝1分けとしている。スウェーデンが94年米国大会(3位)以来、スイスが自国開催だった54年以来の8強入りをかけて両者が激突した。

 主力DF2人を出場停止で欠くスイスの不安をあおるように、スウェーデンは序盤にシュートが続いた。前半8分にはベリ、前半9分にはエクダルがエリア内からシュートを放ったが、枠をそれた。前半28分にはクローソンの胸での落としからベリが至近距離から左ボレーを放つが、GKが防いだ。

 お手本のような4ー4ー2のゾーン守備に苦戦していたスイスは前半38分、スローインから左サイドでダイレクトでボールをつなぎ、最後はジュマイリ。強烈な一発を放ったが、枠の上に消えていった。前半はともに7本のシュートを放つも1-1で折り返した。

 均衡を破ったのはスウェーデンだった。後半21分、左に展開したフォスベリが再び中央でボールをもらうと、正面からミドルシュート。これがDFの足に当たりコースが変わってゴールに飛び込んだ。

 スイスは後半28分に、攻撃的な選手を2枚投入し、反撃に出た。後半34分には途中出場したエンボロがCKから頭で合わせたが、枠をとらえたボールはフォスベリにひざでブロックされた。その後も攻勢を仕掛けたが、人数を増やした守備を崩せなかった。

 試合は1-0で終了。スウェーデンが94年大会以来の8強進出を決め、コロンビア-イングランドの勝者と準々決勝を戦うことになった。