元日本代表監督で日刊スポーツW杯特別評論家の岡田武史氏(61)が、西野監督と日本代表チームに感謝した。FIFAランク3位のベルギー相手に互角に渡り合ったことを評価し、自身が16強に導いた10年南アフリカ大会からのレベルアップを喜んだ。1次リーグからの4試合で、日本サッカーの「形」が見えてきたとした。【取材・構成=荻島弘一】

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 岡田氏は残念そうに言葉を絞り出した。「また4年待たないといけない」。大会直前の監督交代、ノーサプライズの選手選考、強化試合の不振…。代表を取り巻く逆風は相当なものだった。それでも、西野監督と選手たちは勝ち進み、ベスト8目前まで行った。だからこそ「悔しいよね。勝たせたかった」と話した。

 3回目の決勝トーナメント進出。岡田氏も監督として10年大会で経験したが「これまでとは内容が違う」と言い切り「02年はホームで相手にも恵まれた。10年は運もあって何とか。今回は過去の2回とは全然違う。だからこそ、残念だね」と振り返った。

 これまでの代表と違うのは「点を取れること」という。ベルギー戦は2点を先行した。1次リーグのセネガル戦では2度も追いついた。「世界が相手でも、しっかり相手の守備を崩して点をとる。個の力が上がっている。欧州でプレーする選手も多く、どんな相手でもストレスを感じずプレーしている」と話した。

 力の差を表すのに「10回やって何回勝てるか」ということがある。「前は10回やって1回しか勝てない相手に、どうやってその1回を持ってくるか考えた。今は10回やって勝てる回数が増えている。ベルギーは10回やって4回ぐらいは勝てる相手。もう1度対戦したら、勝敗は分からない」。