W杯ロシア大会で2大会ぶり3度目の決勝トーナメントに進出した日本代表のDF吉田麻也(29=サウサンプトン)が7日、早くも4年後に向けスタートを切った。

 東京近郊でキリングループが共同企画するサッカー教室に参加。子どもたちと汗を流した。午前、午後の異例の2部構成。それぞれみっちり2時間、計4時間超も子どもたちとボールを蹴った。ざっくばらんに質問にも答え、交流した。

 ベルギー戦の逆転負けのショックがまだ癒えないが「みんなのパワーをもらって元気になった」と感謝。「16強までしかいけなかったけど4年後のカタールでベスト8、日本がまだいったことがないところまでいけるように。そしてみんなが大きくなったらベスト4、決勝、優勝を目指してもらいたい」。サッカー界を見渡し、訴えた。

 子どもたちは、無邪気で、質問コーナーでは「W杯では点を決めましたか?」と予想外の質問が飛んだ。プレミアで、強力ストライカーと渡り合う吉田の対応力はさすが。笑顔で「あと少しでゴールというところまでいったんだけどね」と返し「体を張って、大迫選手の半端ないゴールが生まれました」。コロンビア戦の混戦での“アシスト”を主張していた。

 この日のMVPには、自身のサイン入りスパイクを贈呈するサプライズも。吉田が選出したのは、体格が良く、技術も高い男の子だった。「体が大きくて、技術も高い選手が大事なのは、ベルギー戦でも感じたこと」と、未来の日本サッカー界へ実感を込めて投資し、才能を後押し。選出された男の子は「サッカー選手になりたいです」と目を輝かせていた。

 まじめ一辺倒ではないのが吉田の魅力でもある。スパイクを渡す際には「まず(ベルギー代表の大きくて強い)フェライニを目指そう。(同じ髪形の)アフロにするところからね」と、ジョーク交じりのエール。ただ、この日ばかりは相手が一枚上。目標とする選手を「吉田選手です」と面と向かって告げられ、少し照れていた。