40代指揮官がワールドカップ(W杯)の快記録に挑む-。ロシア大会は10日(日本時間11日3時)にフランス-ベルギーの準決勝が行われる。事実上の決勝戦とされる一戦だ。ベルギーのマルティネス監督(44)は「史上初の外国人監督優勝」、フランスのデシャン監督(49)は「史上2人目の主将と監督で優勝」を目指す。40代監督のW杯優勝は、90年イタリア大会の西ドイツ代表ベッケンバウアー監督(当時44)が最後。W杯の歴史に名を刻むのはどっちだ?

 フランスのデシャン監督は、史上2人目の快挙にあと2つと迫っている。前回大会は8強止まりで、フランス国内では今大会開幕前に「準決勝まで行けなければ、代表監督はジダン(前レアル・マドリード監督)に交代となるだろう」とうわさされていたが、まずはそこを突破。40代最後の今大会は、選手の力を最大限に引き出す手腕が光っている。

 チーム最多タイの3得点を挙げている19歳のエムバペには「彼は若い。これからもできることを示し続けないといけない」と叱咤(しった)。一方、無得点の31歳FWジルーには「彼がいることで周りの選手が恩恵を得ている」とベテランのプライドをくすぐる。

 現役時代はリーダーシップを備えたボランチで、自国開催の98年大会で主将を務めた。アフリカなどルーツが多岐にわたる代表チームをまとめ、ジダンらと初優勝に貢献。引退後はユベントス(イタリア)など名門クラブを率いて監督の経験を積み、12年7月にフランス代表の指揮官に就いた。

 主将と監督の両方で優勝となれば、西ドイツのベッケンバウアー以来2人目。フランスの生粋のリーダーが、ベルギーの快進撃をストップする。