日本代表を追いかけロシアに滞在していたので、国内の盛り上がりは分からない。ただ、伝え聞くとすごい熱狂ぶりだったようだ。コロンビアに勝った翌日、槙野が「一瞬の、時の人というか、そういう形にならないように」と言っていた。ワールドカップ(W杯)が終わり、この言葉が身に染みる。

 ここからの4年は厳しい。長谷部も、おそらく本田もいないだろう。代役も思い浮かばない。アジアでは、目標にされ苦戦するだろう。W杯で見たライバルのイラン、オーストラリアは強かった。韓国もドイツに勝った。日本のサッカー界が変わらなければ、一瞬で置いていかれる。ガラパゴス化しつつある、国内の改革が急務だ。

 10日に吉田がSNSで「Jリーグ組オフ少なすぎだよー。(中略)誰のためにもならないよー。Jリーグさん頼みます」と書いた。W杯日本代表の国内組の多くは、11日に早くも所属クラブで公式戦に復帰した。世界の関心がW杯準決勝から決勝へと向かう時期だ。にもかかわらず、いくらスケジュールが厳しいからといって天皇杯3回戦を組み込むなんて…。

 帰国会見で、西野監督は欧州に合わせた秋春制へのシーズン制移行の必要性を主張した。W杯で全てを懸けて戦った選手たちが、たった数日の休暇しか取れず、国内の戦いに戻るなんて考えられない。選手ファースト。海外移籍をより活発化させるためにも、一刻も早くシーズン制移行を実現させてもらいたい。【八反誠】