レアル・マドリードからユベントスに移籍したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(33)に対し、他にも3クラブがオファーを出していたと英ミラー電子版が報じた。

同電子版がスペインのエル・ムンド紙の情報をもとに報じたところによると、レアルの他にはパリサンジェルマン(PSG=フランス)ACミラン(イタリア)、そして古巣マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)が獲得に乗り出していたという。

まず最初にオファーを出したのはACミラン。中国人の前オーナー李勇鴻氏がまだ在職中にロナウド獲得を目指したという。

古巣ユナイテッドは、レアルに対して公式に接触。交渉に入ったものの、金銭面で折り合わずに移籍話は頓挫となった。

PSGも獲得に本腰を入れていたが、交換として自軍のネイマールやエムバペをレアルに奪われることを嫌い、ロナウドに対し「移籍に合意した場合、移籍期間ギリギリの最終日に契約を成立させる」ことを求めた。ロナウド側はこの条件をリスクが高いと判断し、PSG入りはなくなったという。

筆者は当初、ロナウドがレアルを退団するとすれば古巣ユナイテッド復帰が最も可能性が高いと思っていた。

「育ての親」とも言えるファーガソン元監督がまだクラブ幹部として残っており、ロナウド自身も「レアルに入団した時は自分は大人の男だったが、ユナイテッドに入った時はまだ子供だった。だからサー・アレックス(ファーガソン氏)のような存在が必要だったんだ」と感謝の言葉を述べている。

普通に考えればファーガソン監督勇退以来、低迷し続けているユナイテッドを助けるために同クラブに復帰するというのがベストなシナリオに見えた。

だが100億円以上の移籍金が動く市場では、物事はそれほどセンチメンタルにはならないようだ。ロナウド自身はトリノの新たな家で、家族やガールフレンドに囲まれてとても幸せそう。ピッチ上でも徐々に本来のプレーが出るようになってきた。このまま、シーズン終了後にユベントス移籍が正解だったと思えるような成績を積み上げることを期待したい。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)