チェルシーが今夏、アトレティコ・マドリードのスロベニア代表GKヤン・オブラク(27)獲得に動くとスペイン紙アス電子版が14日に報じている。

同紙がチェルシーの関係者から入手した情報によると、チェルシーは現在GKとしての市場価値が世界で最も高く見積もられているオブラクとの契約を今夏の最優先の目標にしており、巨額のオファーを出す予定であるとのことだ。

チェルシーが準備すると伝えられている金額は1億ユーロ(約120億円)。この金額はケパ・アリサバラガが18年夏にチェルシーへ移籍した際ビルバオに支払われた現在のGK史上の移籍金最高額8000万ユーロ(約96億円)を上回るものとなる。

また英国内の情報によると、オブラクの移籍金を値下げるため、チェルシーがケパを交渉に含める可能性もあるという。その理由として、チェルシーはケパのパフォーマンスに満足していないわけではないものの、オブラク獲得はフランク・ランパード監督たっての希望であることが挙げられており、ケパ放出もいとわないとのことだ。

一方、アトレティコ・マドリードは、ディエゴ・シメオネ監督が常々世界最高と語るGKの放出することなど全く考えておらず、何年も前から選手を留め続けるために、できる限りの努力をしてきた。

なぜなら毎試合奇跡的なセーブを披露し、4季連続でサモラ賞(スペインリーグの最少失点率GK賞)を獲得しているオブラクはアトレティコ・マドリードにとって、スペインと欧州カップ戦で強豪と渡り合い成功を収めるために必要不可欠な選手である。

オブラクは昨年4月、クラブと23年までの契約延長を行い、契約解除金が1億ユーロ(約120億円)から1億2000万ユーロ(約144億円)、そして年俸が手取り1000万ユーロ(約12億円)に値上がっている。

チェルシーは今夏獲得に動くものの、アトレティコ・マドリードが徹底的に拒否することが予想される。しかしチェルシーが獲得に準備する金額は、アトレティコ・マドリードで設定されている契約解除金に近いため、何らかの動きがあるかもしれない。(高橋智行通信員)