新型コロナウイルスの影響を受けて縮小傾向にある今夏の移籍市場の中、去就が大いに注目されている選手のひとりである日本代表MF久保建英(19)について、スペイン紙アスが29日、これまで以上に具体的な情報を報じている。

それは28日にレアル・マドリードと久保の代理人が現在の状況についての会談を行ったということ。その中で新たに久保の期限付き移籍の最有力候補としてオサスナの名が挙がっている。

今季1部に昇格したばかりながらも、スペイン1部リーグを10位という好成績で終えたオサスナのオファーが、久保にとって最も魅了的なものであり、実現性の高いものであると同紙は伝えている。

久保の優先順位はスペインでプレーを継続すること。そしてそれをベースに久保とRマドリードの希望は欧州カップ戦デビューを飾ることであるという。しかしそれ以上に久保が望むのは、全ての試合に出場すること、次のステップとして年間40試合に出場できることである。それを実現することにより久保は2021-22シーズン、Rマドリードでの地位が保証されると確信しているとのことだ。

その点でオサスナは、それを保証できる利点があることを伝え、そして久保が来季100周年を迎えるクラブ、および現在改修中で来季の頭に「こけら落とし」を迎える新スタジアムで注目の存在になることを説明したという。

またジャゴバ・アラサテ監督が大きく関与していること、Rマドリードのオフィシャルサプライヤーであるアディダスとオサスナが来季以降の契約を結んだこと(今季はヒュンメル)もこの移籍に影響を与えているとのことだ。

これらさまざまな要素を考慮し、オサスナが久保獲得レースで非常に良いポジションに位置しているとアス紙は伝えている。しかし久保の獲得競争は激しく、多くのスペイン1部のクラブが久保の代理人を通じて、もしくはRマドリードと直接連絡を取っているとのこと。

オファーを出しているクラブとして同紙は、セビリア、ベティス、レアル・ソシエダード、グラナダ、レバンテ、セルタ、アラベス、そして来季1部に復帰する岡崎慎司所属のウエスカという名前を挙げている。

さらにセビリアの2クラブを比較した場合、関係者の情報によると、最近、移籍の最有力候補と伝えられていたセビリアよりもベティスが有利にあると伝えている。

(高橋智行通信員)