日本代表MF久保建英(19)の来季の去就について、スペイン紙アス電子版が29日「久保の入札でベティス、グラナダ、そしてオサスナが先頭に立つ」と見出しをつけ、改めてオサスナを含むスペインの3クラブを有力候補に挙げた。日々新たな情報が出ており、最近ではオサスナが期限付き移籍の最有力候補として報じられたばかりだった。一方、最近報じられているセビリア移籍という選択肢は条件面が合わないため、事実上除外されていることを強調して伝えている。

久保は来季に向け、オランダのアヤックスやイタリアのラツィオが獲得を諦めていないにもかかわらず、スペインでプレーを継続することだけを考えているという。その上で全ての試合に最大限出場すること、次のステップとして年間40試合に出場できることを優先する予定だと同紙は伝えている。

久保は欧州カップ戦にデビューするかどうかにかかわらず、もし19歳で1部リーグ70試合に出場してマドリードに戻った場合、来季、レアル・マドリードにとどまり、多くの成功を手にすることができると確信しているという。

その点でオサスナは、出場時間を保証できる利点があることを伝えており、クラブが来季100周年を迎えるにあたり、現在改修中で来季序盤に新スタジアムで久保が注目を集める存在になることを説明したという。

また、ジャゴバ・アラサテ監督が大きく関与していること、Rマドリードのオフィシャルサプライヤーであるアディダス(今季はヒュンメル)とオサスナが来季以降の契約を結んだこともこの移籍の戦略上、重要な役割を果たしているという。それらの要素が重なり、オサスナが久保獲得レースで非常に良いポジションに位置しているとアス紙は伝えている。

しかし、この獲得競争は非常に激しいものになっており、久保について、多くのスペイン1部のクラブが久保の代理人を通じて、もしくはRマドリードと直接連絡を取っているという。

グラナダとレアル・ソシエダードが確固たる意思をRマドリードに伝えている他、レバンテ、セルタ、アラベス、来季1部に復帰する岡崎慎司所属のウエスカ、そしてベティスとセビリアが久保を求めるクラブとして候補に挙がっている。

また、セビリアの2クラブを比較した場合、現状を知る関係者の情報によると、最近、移籍の最有力候補と報じられていたセビリアよりも、ベティス移籍の可能性が高いと同紙は伝えている。

しかし、ベティスの場合、来季に向け、監督に就任したばかりのマヌエル・ペジェグリーニ氏のプランを知ることが重要となるという。一方、セビリア移籍は非常に難しいとみられている。なぜならRマドリードが検討していない買い取りオプション付きの2年間の期限付き移籍を求めているからだ。

いずれにしても久保を来季獲得するクラブは、久保の期限付き移籍の手数料約250万ユーロ(約3億円)と年俸合わせ、500万ユーロ(約6億円)を超える金額を支払う必要がある。(高橋智行通信員)