スペインの「神童」が快記録を達成した。欧州ネーションズリーグは6日、各地で行われ、最上位リーグAの4組のスペインはホームでウクライナに4-0と快勝した。

2-0の前半32分にバルセロナ所属のFWアンス・ファティ(17)が国際Aマッチ初ゴールを決めた。17歳311日での得点は、1925年にフアン・エラスキンがマークした18歳344日を更新するスペイン代表の最年少ゴール記録となった。

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スペインの新生FWが新たな歴史を切り開いた。2-0とリードの前半32分、17歳のファティはペナルティーエリア(PA)手前でパスを受けると、カットインから右足を鋭く振り抜いた。その勢いで体は宙に浮いて横転したが、カーブ回転のかかったボールは右ポストに当たりながらネットを揺らした。身体能力の高さを示す見事な代表初ゴール。スペイン代表の最年少得点記録を95年ぶりに塗り替え、「ここにいる選手たちとプレーすることは誇り」と胸を張った。

試合序盤から快記録達成の雰囲気が漂った。開始2分、持ち場の左サイドからドリブルでPA内に進入してPKを獲得。前半26分にはゴール前の混戦から浮いたボールを抜群の跳躍力でオーバーヘッドシュートを狙った。最終的にフル出場で両チーム最多6本のシュートを放ち、「90分通して良い試合ができた。継続していきたい」とチームの今大会初勝利を喜んだ。

西アフリカのギニアビサウ出身で、10歳でバルセロナの下部組織に入団。19年にトップデビューを果たすと、16歳304日のクラブ最年少得点をマークした。代表でも記録を更新し「みんなにこのユニホームにサインしてもらって、自宅の特別な場所の壁に飾るよ」と笑顔で話した。

◆各国代表の最年少得点記録 日本ではMF金田喜稔が77年6月15日の韓国戦で記録した19歳119日が最年少。MF久保建英は東京時代の19年6月9日のエルサルバドル戦で、DF市川大祐の17歳322日に次ぐ歴代2位の18歳5日でデビューしたが、ここまで7試合無得点。アルゼンチンは06年のFWメッシで18歳250日。イングランドは06年のFWルーニーが記録保持者で17歳317日となっている。イタリアは58年のFWブルーノ・ニコルで18歳258日。W杯では58年大会のブラジル代表FWペレの17歳239日が最年少記録となっている。