ビリャレアルの地元紙エル・ペリオディコ・メディテラネオが29日、紙面1ページを使って久保建英(19)の大特集を組んだ。「タケ・クボの時間」とタイトルをつけ、30日にホームで行われるスペイン1部リーグ第4節アラベス戦でビリャレアル入団後、初となる公式戦先発出場の可能性があることを伝えている。

同紙はまず、久保がビリャレアルへの期限付き移籍を決めた大きな理由にウナイ・エメリ監督の説得があったことを紹介し、ビリャレアルが今夏、良い補強をしたものの、チームがうまく機能するように、まだ全てのピースを当てはめている段階にあることを強調した。

そして、「ビリャレアルはカソルラ退団後、プレーのやり方を見つけられていない。優れた選手たちを抱えているが、ジェラール・モレノとパコ・アルカセルのFW2選手を生かすには“新しい魔術師”が必要だ」とクラブのレジェンドの穴を埋めることができておらず、チーム作りに苦戦していることを指摘した。

そんな中、最もカソルラに似た選手として久保の名を挙げ、「スキル、試合の流れを読む優れた力、守備の仕事での勤勉さ、戦術的規律、足に吸い付くようなドリブルでのスピード、1対1の突破力、卓越したゲームの理解力、素晴らしいキック力」と備えている特徴を伝え、「利き足は左のようだが、カソルラのように両足を完璧に扱えるため、それを推測するのは難しい」と称賛した。

さらに、「タケはただ良い選手というわけではない。その年齢の割に並外れて成熟しており、地中海のような陽気さと爽やかさを持ち合わせていると同時に、日本文化の相手への敬意、連帯意識、責務も兼ね備えている」と紹介している。

久保の現在の状況については「エメリ監督はわずかな出場時間しか与えていないが、控えに置いているというわけではなく、時が来て、羽化が最終的になった時のために保護しているという印象を与えている。なぜならスペイン語やカタルーニャ語をうまく話し、滑らかにコミュニケーションを取れるタケのクオリティーと才能にほれ込んでいるためである」とビリャレアル指揮官が久保を大事に育てていることを強調した。

また同紙は、久保のここまでのパフォーマンスについて「出場したわずかな時間で長所をいくつも示し、ピッチにいる時、ビリャレアルで最も危険な選手になっている」と高評価。中2日で行われる30日のアラベス戦に向け「クボの時間が訪れる可能性がある」と予想した。

久保を先発起用する場合、エメリ監督がシステムを4-4-2から4-2-3-1に変更するかどうかで迷いがあることを伝えており、その理由として、「タケは4-4-2でも完璧にプレーできるが、4-2-3-1が最も適している可能性があるため」としている。

30日、久保にビリャレアル入団後、初となる先発のチャンスが訪れるかどうかが注目となりそうだ。(高橋智行通信員)